B型肝炎の無症候性キャリアとは?リスクと対策について徹底解説

健康診断でB型肝炎
放心状態の男性

人間ドックでB型肝炎の無症候性キャリアと診断されました。
医師からは定期的に検査を受けた方が良いと言われましたが、特に自覚症状もないし、健康そのものです。無症候性キャリアでも、通院した方が良いのでしょうか?

はい、通院して、定期検査を受けてください。
無症候性キャリアでも発症するリスクがありますし、肝硬変や肝がんを発症すれば、最悪死亡に至る可能性もあります。自覚症状が出てからでは、手遅れということもよくあります。

ここでは、B型肝炎の無症候性キャリアの定義や、発症リスクや感染リスクについて説明します。それを踏まえて、無症候性キャリアと言われたときの対策、その中でも、B型肝炎給付金についてしっかり解説します。

これを読んで、ご自身の状況をご理解いただいたうえで、万全の対策を取っていきましょう。

目次

B型肝炎の無症候性キャリアとは?

B型肝炎とは、B型肝炎ウイルスに感染することによって起こる肝臓の病気です。

B型肝炎ウイルスに感染すると、体の免疫機能がウイルスを攻撃して、体外に排除しようとします。

その際、ウイルスだけでなく、肝臓の細胞(肝細胞)も一緒に攻撃してしまうために、肝臓が炎症を起こしてしまいます。これが肝炎です。

B型肝炎ウイルスに感染した後の経過は、次の図のとおりです。

B型肝炎ウイルスの自然経過

乳幼児期にB型肝炎ウイルスに感染すると、体の免疫機能が未熟であるため、ウイルスを異物と認識できずに攻撃がされません。
そのため、肝炎は発症せず、ウイルスは肝臓の細胞にとどまった状態となります。

このように、ウイルスが体外に排除されずに、6か月以上にわたって感染状態が継続すること持続感染といいます。そして、持続感染しているが、症状が出ない人のこと無症候性キャリアといいます。

B型肝炎の無症候性キャリアとは?

非活動性キャリアとの違いは?

無症候性キャリアの方が、15歳から30歳ぐらいになると、免疫機能の発達により、肝炎を発症します。そのうち、85~90%はウイルスを排除し、抗体ができて、肝炎は落ち着きます。

このように、肝炎を起こした後に抗体ができて、症状が落ち着いている人のこと非活動性キャリアといいます。

成人後に感染した場合は、急性肝炎を起こし、ウイルスは排除され、抗体ができて、肝炎は落ち着きます。この場合も非活動性キャリアとなります。

B型肝炎の無症候性キャリアでも発症リスクあり!

腹痛

1章の図のように、幼少期に感染した無症候性キャリアのうち85%~90%の人は、いったんは肝炎を発症しますが、すぐに落ち着き、非活動性キャリアとなります。

ところが、10%~15%の人は、抗体ができずに肝炎が持続してしまいます。これが慢性肝炎です。慢性肝炎にいたると、年率約2%の割合で肝硬変に進行し、さらに、年率5%~8%の割合で肝細胞がんに進行してしまいます。

さらに、いったん非活動性キャリアとなった場合でも、10%~20%の割合で、B型肝炎ウイルスが再増殖し、肝炎が再燃する可能性もあります。
このように、現在は症状がなくても、B型肝炎ウイルスに持続感染していると、将来的には発症するリスクが十分にありますので、決して油断はできません。

肝がんまでの経過

「無症候性キャリア」と「非活動性キャリア」の使われ方
厳密に区別すると、「無症候性キャリア」はB型肝炎ウイルスに持続感染しているが、まだ肝炎を起こしていない人のことで、「非活動性キャリア」は一時的に肝炎を起こしたが、慢性肝炎には至らずに落ち着いている人のことを指します。
しかし、実際には「非活動性キャリア」を「無症候性キャリア」と呼ぶこともあり、その使われ方は曖昧なケースもあります。そこで、この後の章では「非活動性キャリア」の人も含めて、「無症候性キャリア」と呼ぶことにします。

B型肝炎の無症候性キャリアはうつる?感染を防ぐために注意すべきこと

B型肝炎ウイルスに持続感染している場合、無症候性キャリアであっても、血液・体液を介して他人に感染させる恐れがあります。
特に、血液検査でHBe抗原が陽性だった場合は、ウイルスが活発に増殖しており、感染力も強いので注意が必要です。

感染を防ぐためには、日常生活において、次のようなことに注意しましょう。
ただし、同じ食器を用いることや、入浴や洗濯物では感染しませんので、極端に神経質になる必要はありません。

  1. 血液が付着する可能性のあるカミソリや歯ブラシの共用はしない
  2. 血液や分泌液が付いたものは、他人の手に触れないように、しっかりと包んで処分する。
  3. 傷の手当は、極力自分で行い、他人が自分の血液を触れないようにする。
  4. 口の中に傷がある場合は、乳幼児に口移しで食物を与えない。
  5. 性行為で感染する可能性があるため、配偶者が感染しないようにワクチンを接種する。

B型肝炎の感染を防ぐために注意すべきこと

B型肝炎の無症候性キャリアの人と付き合う・結婚するときに気をつけること

B型肝炎の無症候性キャリアの人と付き合う場合には、しっかりと話し合い、ウイルスに関する正しい知識を身につけることが大切です。感染予防のための対応は必要になりますが、きちんと理解することで、無駄に怖がったり、不安になったりしなくて済みます。

結婚する場合には、将来起こり得るリスクについて考えておきましょう。
通院するための労力や経済的な面での負担、将来的に慢性肝炎を発症する可能性や、肝硬変や肝臓がんになってしまうリスクもあります。闘病生活が続けば、介護が必要になることもありえます。

ただ、事故や病気などで、自分も要介護状態になる可能性だってあります。そうなれば、あなたが支えられる立場となるのです。
結婚とは、お互いに支え合って生きる、という一つの選択なのです。

結婚に当たっては、具体的に次のような対策・準備をしておきましょう。

  • B型肝炎ワクチンを接種する。
  • 子どもが生まれたら、母子感染・父子感染を予防するために、B型肝炎ワクチンを接種させる。
  • 治療が必要な場合は、自治体の医療費助成制度について調べておく。
  • 新居に移るのであれば、近くのかかりつけ医の候補、肝疾患専門医療機関などを調べておく。

B型肝炎の感染を防ぐために注意すべきこと

B型肝炎の無症候性キャリアの人が性交渉時に気をつけること

B型肝炎ウイルスは、血液や体液を介して人に感染するウイルスであるため、性交渉を介して感染する可能性があります。
無症候性キャリアは、症状がなくても他人に感染させてしまう可能性がありますので、気付かないうちに、パートナーに感染させてしてしまうかもしれません。

避妊具を着用すれば、感染の可能性は低くなりますが、可能性がゼロになるわけではありません。
また、ディープキスやオーラルセックスでも感染するリスクがあるため、不特定多数の相手との性交渉は避けるなどの注意が必要です。

性交渉での感染を避けるため、パートナーには事前に説明し、B型肝炎ワクチン(HBワクチン)を接種してもらうようにしましょう。
B型肝炎ワクチンについては、次の記事もご参照ください。

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B型肝炎ウイルス感染の検査方法

B型肝炎ウイルスに感染しているかはどうかは、血液検査でわかります。

血液検査は、医療機関で受けることができます。自治体によっては、無料検査を実施しているところもあります。また、勤務先の健康診断で検査される場合もあります。

なお、B型肝炎の検査については、次の記事もご参照ください。

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B型肝炎ウイルス感染の検査方法

血液検査|HBs抗原を調べる

血液検査では、B型肝炎ウイルスの表面を構成するHBs抗原というタンパク質を検出する検査を行います。

  • HBs抗原が「陰性」の場合⇒B型肝炎ウイルスに感染していません。
  • HBs抗原が「陽性」の場合⇒B型肝炎ウイルスに感染しています。

HBs抗原が陽性の場合は、専門の医療機関でさらに詳しい検査を行い、ウイルスの量や増殖能力の程度などの感染状態を確認します。

B型肝炎ウイルス感染の検査方法

検査場所|身近な場所で検査が可能

B型肝炎ウイルスに感染しているかどうかの検査は、ほとんどの医療機関保健所で受けられます。勤務先の健康診断で検査を受けることもできます。
また、献血外科手術を受ける前の検査妊婦検診などでも検査されます。

最近は、検査当日に結果がわかったり、スマホを使ったオンライン診療が可能な医療機関もあります。また、自分で20分ほどで検査できる検査キットも販売されています。
「病院に行くのは恥ずかしい」「忙しくて病院に行く時間がない」などという人は、このような検査方法もご検討ください。

B型肝炎は完治できる?無症候性キャリアと言われたときの対策

肝臓の定期検査

B型肝炎は、核酸アナログ製剤(抗ウイルス薬)などの飲み薬による治療が可能です。薬を飲み続けることによって、肝炎の発症を防いだり、肝炎の進行を遅らせたりすることができます。

ただし、この抗ウイルス薬では、B型肝炎を完治させることは困難です。なぜなら、この薬はウイルスの増殖を防ぐだけで、ウイルスそのものを根絶することはできないからです。

しかも、薬の服用をやめると、ウイルスが増殖し、肝炎を発症するリスクが高まります。そのため、この薬は、一生飲み続けなければなりません。1錠1,000円近くする薬を毎日飲み続けると、1か月で3万円ほどかかります。
さらに、万が一、肝硬変や肝がんに進行してしまったら、手術代や入院代などの医療費もかかってしまいます。

このように、B型肝炎ウイルスに感染すると、健康面だけでなく、金銭面においても大きなリスクを抱えることになるのです。
そこで、無症候性キャリアと言われたら、次の3つの対策を取ることをお勧めします。

  1. 肝疾患専門医療機関を受診し、定期検査を受ける
  2. 都道府県の助成を申請する
  3. B型肝炎訴訟で国に給付金を請求する

対策①

肝疾患専門医療機関を受診し、定期検査を受ける

肝疾患専門医療機関とは、次のような診断や治療が可能な医療機関で、都道府県の指定を受けたところのことです。

  1. 専門的な知識を持つ医師による診断(活動度及び病期を含む)と治療方針の決定
  2. インターフェロンなどの抗ウイルス療法
  3. 肝がんの高危険群の同定と早期診断(肝がん発症リスクの高い患者を見極めて、早期診断を下すこと)

具体的な医療機関名称は、次をご参照ください。
肝疾患に関する専門医療機関一覧(厚生労働省)

肝臓は『沈黙の臓器』と言われるほど、発症していても、自覚症状が少ない臓器です。気づいたときには、肝がんの末期だったということも、よくあるのです。
そうならないためにも、肝疾患の知識や経験、治療体制が充実した医療機関で定期的に検査を受けて、経過を観察してもらいましょう。そうすることで、発症の早期発見につながり、万全の治療を受けることできるのです。

対策②

都道府県による助成を申請する

無症候性キャリアであっても、一定の条件を満たせば、都道府県から検査費用や治療費用などの助成がされます。具体的には、次のような助成制度があります。

  1. 肝炎初回精密検査費用助成
  2. 肝炎定期検査費用助成
  3. 肝炎治療医療費助成

肝炎初回精密検査費用助成

1年以内に、肝炎ウイルス検診、健康診断、妊婦検診、術前検査でB型肝炎陽性と判定された方には、医療機関で受ける精密検査(血液検査、超音波検査)1回分の費用が助成されます。
※都道府県によって、条件や助成内容が異なる可能性がありますので、詳しくは各都道府県窓口にご確認ください。

肝炎定期検査費用助成

B型肝炎ウイルスによる慢性肝炎、肝硬変、肝がんの療養中で、収入が一定額未満の方が、都道府県指定の肝臓専門医療機関で定期検査を受けた場合、定期検査費用の一部が助成されます。
※都道府県によって、条件や助成内容が異なる可能性がありますので、詳しくは各都道府県窓口にご確認ください。

肝炎治療医療費助成

インターフェロンや核酸アナログ製剤という薬による治療を受ける場合、月あたり10,000円(一定額以上の収入がある場合は20,000円)を超える医療費が助成されます。

対策③

B型肝炎訴訟で国に給付金を請求する

B型肝炎訴訟というのは、幼少期の集団予防接種によりB型肝炎ウイルスに持続感染した方や、その方から母子感染などにより持続感染した方などが、国に対して給付金を請求する手続きのことです。
一定の条件を満たせば、国から給付金が支給され、その金額は、B型肝炎の病状に応じて50万円から3600万円です。
B型肝炎給付金の受給条件や手続きの流れなどについては、次の章で詳しく解説します。

無症候性キャリアでもB型肝炎給付金がもらえる!受給条件や手続きの流れは?

案内する女性B型肝炎給付金を受給するためには、裁判所での訴訟手続きを経て、国と和解しなくてはなりません。
訴訟提起の際には、決められた必要書類を提出することになります。

また、B型肝炎給付金の請求期限は、2027年3月31日までとなっていますので、早めに手続きしましょう。

B型肝炎給付金の受給条件

給付金の対象者には、大きく分けて、一次感染者二次感染者それらの相続人がいます。
一次感染者とは、幼少期の集団予防接種等によりB型肝炎ウイルスに感染した方
二次感染者とは、一次感染者から母子感染などによりB型肝炎ウイルスに感染した方
それらの相続人とは、亡くなった一次感染者と二次感染者の相続人(遺族)のことです。

それぞれの受給条件は、次のとおりです。詳しくは、次の記事もご参照ください。

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一次感染者の受給条件

  1. B型肝炎ウイルスに持続感染していること
  2. 満7歳になるまでに集団予防接種等を受けていること
  3. 集団予防接種等における注射器の連続使用があったこと
  4. 母子感染(母親からの感染)でないこと
  5. 父子感染(父親からの感染)でないこと
  6. 成人後感染でないこと
  7. その他集団予防接種等以外の感染原因がないこと

二次感染者の受給条件

  1. 母親(または父親)が一次感染者の条件を満たすこと
  2. B型肝炎ウイルスに持続感染していること
  3. 母子感染(または父子感染)であること

一次感染者または二次感染者の相続人

  1. 一次感染者または二次感染者の条件を満たした人が亡くなっている
  2. 一次感染者または二次感染者の相続人である

給付金請求手続きの流れ

B型肝炎給付金を請求する手続きの流れは、次のとおりです。

  1. 必要書類の準備
  2. 裁判所への提訴
  3. 和解
  4. 社会保険診療報酬支払基金に給付金の支払請求
  5. 給付金の受給

必要書類の準備

無症候性キャリアの方の場合、B型肝炎給付金を請求するためには、次の書類が必要です。

必要書類の詳しい内容については、次の記事もご参照ください。

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一次感染者の必要書類
  1. B型肝炎ウイルスに持続感染していることが確認できる書類
  2. 満7歳になるまでに集団予防接種等を受けていることが確認できる書類
  3. 母子感染(母親からの感染)でないことが確認できる書類
  4. 父子感染(父親からの感染)でないことが確認できる書類
  5. 成人後感染でないことが確認できる書類
  6. その他集団予防接種等以外の感染原因がないことが確認できる書類
二次感染者の必要書類
  1. 母親(または父親)が一次感染者の条件を満たすことが確認できる書類
  2. B型肝炎ウイルスに持続感染していることが確認できる書類
  3. 母子感染(または父子感染)であることが確認できる書類
一次感染者または二次感染者の相続人の必要書類

相続人の場合は、一次感染者または二次感染者としての通常の必要書類に加えて、自分が一次感染者または二次感染者の相続人であることを証明する戸籍謄本・除籍謄本が必要になります。

裁判所への提訴

必要書類がそろったら、訴状などを作成し、必要書類といっしょに裁判所に提出します。
この際、請求金額に応じた印紙代や切手代(訴訟費用の支払いが必要です。

その後、国が書類の精査をして、不足書類が追加資料の提出を求められます。

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和解

必要書類がそろい、給付金の受給条件を満たしていることが確認できたら、裁判所で国と和解手続きを行います。
この際、裁判所に出廷する必要がありますが、弁護士に手続きを依頼している場合は、代わりに弁護士が出廷します。

和解が成立したら、裁判所が和解調書を作成します。

社会保険診療報酬支払基金に給付金の支払請求

B型肝炎給付金の支給業務は、国から社会保険診療報酬支払基金という機関が委託されています。
裁判所から受け取った和解調書を付けて、社会保険診療報酬支払基金に給付金の支払いを請求します。

この際、B型肝炎ウイルスへの感染から20年経っている無症候性キャリアの場合は、「特定B型肝炎ウイルス感染者定期検査費等受給者証」という証明書の交付も請求できます。
この受給者証があると、給付金とは別に、今後の定期検査費用定期検査手当などが支給されます。

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給付金の受給

給付金は、社会保険診療報酬支払基金から振り込まれます。
受給者証は、社会保険診療報酬支払基金から書留郵便で届きます。

弁護士に手続きを依頼している場合は、一般的に、弁護士費用を差し引いた金額が、弁護士から振り込まれます。

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給付金の金額

無症候性キャリアの場合の給付金は、次の2通りがあります。

  1. B型肝炎ウイルスへの感染から20年経っていない場合 600万円
  2. B型肝炎ウイルスへの感染から20年経っている場合 50万円

B型肝炎訴訟におけるウイルスへの感染時は、一次感染者の場合は、集団予防接種を受けた時になりますが、そもそも昭和63年(1989年)1月27日までに集団予防接種を受けた方が一次感染者の条件ですので、全員が感染から20年以上経っていることになります。
母子感染による二次感染者の場合は、生まれた時が感染時になりますので、現在20歳未満の方以外は、全員が感染から20年以上経っていることになります。

給付金以外の手当

無症候性キャリアで、B型肝炎ウイルスへの感染から20年経っている場合には、給付金50万円に加えて、次のような手当を受けることができます。

  1. 定期検査および定期検査に付随する診療行為等に要する費用
  2. 定期検査手当
  3. 母子感染防止医療費
  4. 世帯内感染防止医療費

定期検査および定期検査に付随する診療行為等に要する費用

一定の血液検査画像検査の費用が、年4回(※)まで支給されます。また、支給対象となる検査に付随する診療行為等にかかる診察代も支給されます。
※CT検査、MRI検査については、年2回まで

定期検査手当

上記の定期検査を受けた方には、1回につき1万5,000円が支給されます。ただし、年間3万円が上限です。

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母子感染防止医療費

国との和解が成立した後に、子を出産し、母子感染防止のために子へワクチンが投与された場合、一定回数までのワクチン投与、それに付随する血液検査や診療行為等にかかる費用が支給されます。

世帯内感染防止医療費

国との和解が成立した後に、新たに本人の同居家族になった者には、一定回数までのワクチン投与、それに付随する血液検査の費用が支給されます。

追加給付金

国との和解が成立し、給付金を受け取った後にB型肝炎を発症したり、B型肝炎の病状が進行したりした場合は、追加給付金を受け取ることができます。
その金額は、新たな病状で受け取れる給付金とすでに受け取った給付金との差額となりますが、感染から20年以上経っている無症候性キャリアとして、給付金50万円を受け取っている場合は、新たな病状で受け取れる給付金の全額が追加給付金として支給されます。具体的には、次の表をご参照ください。

追加給付金の金額(無症候性キャリアで和解した場合)

B型肝炎訴訟を弁護士に依頼するメリット

B型肝炎訴訟で国に給付金を請求するためには、裁判所の手続きが必要です。
自分ひとりで手続きをすることもできますが、専門的なノウハウが必要ですので、手間や時間がかかります。スムーズに手続きするには、法律の専門家である弁護士に依頼する方がよいでしょう。

B型肝炎訴訟を弁護士に依頼することで、次のようなメリットがあります。

B型肝炎訴訟を弁護士に依頼するメリット

訴状などの書類作成を任せることができる

給付金を請求するには、訴状や証拠一覧などの書類を作成しなければなりません。
これらは、裁判所に提出する書面ですので、法律の専門家である弁護士に任せた方が、迅速に、滞りなく作成することができます。

B型肝炎訴訟を弁護士に依頼するメリット

必要書類収集のサポートを受けることができる

裁判所には、証拠資料となる血液検査結果や医療記録(カルテ)、公文書など、さまざまな書類を提出します。これらの必要書類を収集するには、医療機関や市区町村役場、場合によっては、卒業した小学校などとも、やりとりしなければなりません。
ご自身で、全てこのようなやりとりを進めると、かなりの労力を要しますが、弁護士がいれば、わからないときにアドバイスを受けたり、医療機関や役所への案内書を作成してもらったりすることができます。

B型肝炎訴訟を弁護士に依頼するメリット

書類の精査により不備を防ぎ、迅速に給付金を受け取ることができる

集めた必要書類を、そのまま提出するだけでは、内容が間違っていたり、不足があったりします。完璧に集めたつもりでも、医療記録などの記載内容によって、新たな事実が判明し、追加書類を求められることもあります。
その点、弁護士がいれば、提出前に書類を隅々までチェックし、入念に精査しますので、極力、不足書類が出ないように準備することができます。その結果、給付金を受け取るまでの期間を短縮することが可能です。

B型肝炎訴訟を弁護士に依頼するメリット

裁判所への出廷を任せることができる

裁判所には、平日の日中に出廷しなければなりませんが、普通に働かれている場合には、なかなか日程を調整するのが難しいのではないでしょうか。
弁護士に依頼していれば、弁護士が代理人として、代わりに裁判所に出廷してくれますので、ご自身で出廷する必要はありません。その結果、時間と労力の大幅な節約ができるでしょう。

B型肝炎訴訟を弁護士に依頼するメリット

給付金の4%分が上乗せで支給される

弁護士に依頼して、手続きをした場合は、給付金の4%分が訴訟手当金として上乗せ支給されます。例えば、弁護士に依頼して、50万円の給付金が支給される場合は、その4%の2万円が上乗せされ、総額52万円が支給されます。

まとめ

【まとめ】B型肝炎の無症候性キャリアと言われたら・・・

それでは、振り返りましょう。
まず、B型肝炎の無症候性キャリアとは、B型肝炎ウイルスへの感染が6か月以上継続しているが、症状が出ていない人のことです。
無症候性キャリアであっても、将来的に発症するリスク他人に感染させるリスクがあります。
そこで、B型肝炎の無症候性キャリアと言われたら、次の対策を取りましょう。

  1. 肝疾患専門医療機関を受診し、定期検査を受ける
  2. 都道府県の助成を申請する
  3. B型肝炎訴訟で国に給付金を請求する

B型肝炎訴訟の手続きをすれば、感染から20年以上経過した無症候性キャリアの場合、50万円の給付金がもらえます。加えて、定期検査費用家族のワクチン接種費用が、一定回数まで無料になります。さらに、万が一、発症してしまった場合には、追加給付金という制度もあります。
まさに、保険料がかからない保険のような使い方ができるのではないでしょうか。

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