交通事故で死亡したら慰謝料はいくら?遺族による賠償請求のすべて

喪服の女性
困っている女性

交通事故で夫を亡くしました。
子どもはまだ14歳と10歳です。来年には高校受験を控えています。
これからの生活費や教育費をどうしたら良いか不安でなりません。
何よりも夫を失った喪失感で何も手につきません。
保険会社からは示談の話が来ていますが、何をどのように進めればよいのでしょうか・・・
慰謝料はいくらぐらいになるのでしょうか・・・。

最愛のご家族を突然失った悲しみは、筆舌に尽くしがたいものであるかと思います。
しかも、それが一家の大黒柱であった場合には、悲しみに加えて、将来への不安に押しつぶされるお気持ちなのではないでしょうか。
お金なんかでは、悲しみや不安を取り除くことはできないかもしれませんが、正当な慰謝料を受け取ることは、ご遺族が明日への一歩を踏み出すきっかけになるものであると信じています。

実は、ご遺族が受け取れる慰謝料には一定の基準がありますが、保険会社の言われるがままに示談すると損してしまう場合もあります。さらに、慰謝料以外にも、さまざまな賠償金を受け取ることができるのです。

ここでは、ご遺族が受け取れる慰謝料の相場、慰謝料以外の賠償金、請求手続きの流れなど、死亡事故の損害賠償に関わる知識を紹介していきます。

死亡事故の慰謝料とは

慰謝料とは、精神的苦痛に対する賠償金のことです。
交通死亡事故の慰謝料には、次の2種類があります。

  1. 被害者本人への慰謝料
  2. 遺族への慰謝料

被害者本人への慰謝料とは、交通事故によって死亡してしまったという精神的苦痛に対する慰謝料です。被害者本人に代わって、遺族(相続人)が請求し、受け取ることができます。

遺族への慰謝料とは、交通事故によって近親者を亡くしてしまったという精神的苦痛に対する慰謝料です。

死亡事故の慰謝料の計算方法

慰謝料の金額は?死亡慰謝料には、次の3つの算定基準があります。

  1. 自賠責保険基準
  2. 任意保険基準
  3. 弁護士基準

自賠責保険基準

自賠責保険の保険金の算定基準です。自賠責保険は被害者に最低限の補償をすることが目的となっていますので、3つの算定基準の中では最も低い金額になります。
以下の表のとおり、被害者本人分の慰謝料と遺族分の慰謝料に分かれています。

死亡慰謝料自賠責基準

例えば、配偶者と子2人(いずれも被扶養者)がいる男性が死亡した場合は、以下のように、合計1350万円の慰謝料を請求できます。

◆遺族が配偶者、子2人(いずれも被扶養者)の場合の慰謝料
被害者本人分:400万円
遺族分(3人):750万円
被扶養者加算分:200万円
合計:1350万円

任意保険基準

各保険会社独自の基準ですので公表はされていませんが、一般的に自賠責保険基準と弁護士基準の間の金額で、弁護士基準の50%~70%の金額になるようです。

弁護士基準

日弁連交通事故相談センターが作成、公表しているもので、これまでの裁判例を基に作成されています。3つの基準の中では最も高額になります。
具体的には次の表のとおりです。
なお、この基準は死亡慰謝料の総額であり、被害者本人の分と遺族固有の慰謝料が含まれた金額です。

死亡慰謝料(弁護士会基準)

死亡事故の慰謝料を増額できる場合

慰謝料とは被害者の精神的苦痛に対する損害賠償ですので、通常よりも精神的苦痛が強いようなケースであれば、その分増額できる可能性があります。具体的には、次のような場合です。

加害者に重大な過失があった場合

事故を起こした際に、加害者に次のような重大な過失があった場合は、慰謝料を増額できる可能性があります。

  • 無免許運転
  • 飲酒運転
  • 著しいスピード違反
  • 信号無視
  • ひき逃げ
  • 薬物などの影響で正常な運転ができない状態での運転

事故後の加害者の態度が著しく不誠実である場合

加害者の態度が著しく不誠実で反省の姿勢が見られない場合は、被害者の精神的苦痛は増しますので、その分、慰謝料も増額できる可能性があります。具体的には、次のような場合です。

  • 事故の証拠を隠滅した
  • 虚偽の供述や不合理な主張をして、事故の責任を認めようとしない

死亡事故の慰謝料を受け取ることができる人

三世代家族死亡事故の慰謝料は、被害者本人の慰謝料遺族固有の慰謝料に分けられます。
そして、それぞれの慰謝料を受け取ることができる人は次のとおりです。

被害者本人の慰謝料を受け取ることができる人

死亡してしまった場合でも、被害者本人の慰謝料が発生します。
ただし、その慰謝料を受け取ることができるのは、被害者の相続人です。その分配方法は、法律で定められています。具体的には、次の表のとおりです。

死亡慰謝料の分配方法

例えば、配偶者と子が2人いた場合で、慰謝料が1200万円だった場合、配偶者が600万円、子がそれぞれ200万円ずつを受け取ることができます。

◆遺族が配偶者、子2人の場合の被害者本人分の慰謝料の分配方法
慰謝料総額:400万円 ⇒ 配偶者:200万円 子2人:100万円ずつ

遺族固有の慰謝料を受け取ることができる人

被害者本人の慰謝料とは別に、遺族にも固有の慰謝料が発生します。
遺族固有の慰謝料を請求できるのは、被害者の父母、配偶者、子となっています。

【参考条文】民法711条

なお、弁護士基準による死亡慰謝料は、被害者本人分と遺族固有の分が含まれています。その配分については、遺族間の内部事情を考慮して決められますので、特に基準はありません。

死亡事故で慰謝料以外に受け取れる賠償金

被害者が死亡した場合、遺族は死亡による慰謝料以外にも受け取れる賠償金があります。

逸失利益

交通事故で死亡しなければ、将来的に得られたであろう収入のことです。
請求できる金額は、死亡時から67歳まで(※)に得られたであろう収入総額から、その間の生活費相当分を控除し、さらに前倒しで受け取ることによる利益を控除(これを「中間利息控除」と言います)した金額です。
※死亡時が17歳以下の場合は、18歳から67歳までで計算する。

弁護士基準では、原則として、次の式で算定します。

基礎収入額×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数

基礎収入とは、サラリーマンの場合、原則として事故前の実際の収入のことです。
生活費控除率とは、収入の中で生活費が占める割合のことです。
就労可能年数は、原則として67歳までとされています。
ライプニッツ係数とは、本来であれば将来受け取るはずの金銭を、前倒しで受け取ることによる利益を控除するための係数です。

逸失利益の計算方法については、次の記事もご参照ください。
「交通事故示談金とは?損害賠償内容と示談金相場や計算基準を知ろう!」

葬儀関係費用

葬儀風景

通夜、祭壇、火葬、埋葬、墓石などにかかる費用を遺族が請求できます。基準額は以下のとおりです。

弁護士基準 150万円
自賠責保険基準 100万円

入通院の慰謝料

被害者が死亡する前に、医療機関に通院、入院していた場合には、その分の慰謝料も遺族が請求できます。
弁護士基準による金額は、次の表のとおりです。

入通院慰謝料

なお、自賠責保険基準による入通院慰謝料は、1日当たり4,300円(令和2年4月1日以降の事故の場合)となっています。

治療費・交通費・付添看護費

被害者が死亡する前に、医療機関に通院、入院していた場合には、その分の治療費や入院費、通院交通費などの実費を遺族が請求できます。
また、親族が入通院に付添ったり、見舞いのために移動したりした場合には、親族の付添看護費や交通費も請求できます。

休業損害

被害者が死亡する前に、けがの治療のために会社を休んだりして収入が減った場合には、その減収分を休業損害として遺族が請求できます。
弁護士基準の場合は、原則として、実際に収入が減った分を請求できます。
自賠責保険基準の場合は、原則として1日当たり6,100円で、これ以上の減収を証明できれば、1日当たり19,000円を上限として実額が支払われるとされています(令和2年4月1日以降の事故の場合)。

死亡事故の場合に受け取れる公的給付
死亡事故の場合、損害賠償のほかに労災保険社会保険からの公的給付を受け取ることができる場合もあります。
例えば、業務上もしくは通勤途中の交通事故の場合には、労災保険の給付を受けられる可能性がありますし、健康保険国民年金・厚生年金からの給付もあります。
ただし、このような公的保険から受けた給付分は、後に支払われる損害賠償金から控除されることになりますのでご注意ください。
詳しくはこちらの記事もご参照ください。
「交通事故に遭ったときに受け取れる公的保険給付」

死亡事故の賠償請求の流れ

慰謝料も含めた損害賠償請求の流れは、次の表のとおりです。

死亡事故の賠償請求の流れ

示談交渉を始めるのは、全ての損害額が確定してからです。
死亡事故の場合は、四十九日の法要費用までが、葬儀関係費用として請求することができますので、四十九日の法要が終わってから示談交渉を始めましょう。
保険会社との示談が成立したら、一般的には10日から2週間後に賠償金が振り込まれます。

死亡事故の賠償金を早めに受け取る方法

示談が成立する前であっても、自賠責保険の保険金を受け取る方法があります。

仮渡金

当座の出費にあてるために、自賠責保険には定額の仮渡金という制度があります。
死亡事故の場合は、一律290万円を受け取ることができます。
加害者加入の自賠責保険会社に対し、次の書類を添付して請求します。

  • 交通事故証明書
  • 事故発生状況報告書
  • 死亡診断書(死体検案書)
  • 本人確認書類(印鑑証明書)
  • 戸籍謄本

被害者請求

示談が成立する前であっても、被害者遺族から加害者が加入している自賠責保険会社に直接、損害賠償額の請求ができます。
示談交渉が長引くような場合でも、自賠責保険の限度額の範囲ではありますが、先に賠償金を受け取ることができます。

死亡事故の賠償金の消滅時効

砂時計人身事故の損害賠償請求の消滅時効は、民法で次のように定められています。

「損害および加害者を知った時から5年間」
「不法行為の時から20年間」

つまり、死亡事故の場合は、次の表のようになります。

損害賠償請求権の消滅時効(死亡事故)

ただし、自賠責保険の保険金請求の時効は、死亡日の翌日から3年(※)となっていますので、ご注意ください。
※事故日が2010年3月31日以前の場合は、2年となります。

消滅時効についての詳細は、こちらの記事もご参照ください。
「【2020年4月改正】交通事故の慰謝料請求権の消滅時効について解説」

死亡事故の賠償金に税金はかかるのか

損害賠償金の趣旨は、損失の補てんですので、基本的に非課税です。つまり、税金はかかりません
ただし、受け取った金額の趣旨や金額によっては、例外もありますのでご注意ください。
詳しくは、こちらの記事をご確認ください。
「交通事故の慰謝料は原則非課税!税金がかかる6つのケースを紹介!」

交通事故の相談なら法律事務所MIRAIOへ

交通事故で大切なご家族を失ってしまった場合、加害者に慰謝料などの賠償金を請求することができますが、より高額の賠償金を勝ち取るには専門的な知識や経験があった方が圧倒的に有利です。
また、初期対応を間違えてしまうと、後々取り返しのつかない不利益が生じてしまうこともありますので、なるべく早い段階で弁護士に相談されることをお勧めします。

ロゴ枠あり

弁護士に依頼するメリット

弁護士に依頼することで、次のようなメリットがあります。

損害額の算出、専門的書類の作成をしてもらえる

交通事故の損害賠償を請求するには、交通事故の調査、損害額の算出、内容証明郵便の作成、示談書の作成、訴状の作成など、専門的な知識と経験が求められる作業がいくつもあります。
このような時間と手間のかかる作業を弁護士に一任することで、治療に専念することができます。

示談や訴訟の代理人になってもらえる

加害者や保険会社との示談交渉や訴訟の代理人になってもらうことができますので、ご自身で直接相手方と話す必要がありません。
この点において、精神的な負担も軽減することが可能です。

より高額の示談金を得ることができる

弁護士に依頼した場合、損害額は弁護士基準で算出します。この弁護士基準というのは、過去の判例(裁判所の判決内容)を参考に基準額を算定したもので、自賠責保険や任意保険会社の基準よりも高額となっています。
例えば、後遺障害等級第1級の慰謝料は、自賠責保険基準だと上限1650万円ですが、弁護士基準で算出すると上限2800万となり、実に1150万円もの差があります。

MIRAIOが選ばれる理由

交通事故被害について弁護士に相談されるなら、まずは「法律事務所MIRAIO」でご相談ください。MIRAIOには次のような強みがあります。

相談実績14,000件以上

MIRAIOは創業以来、20年以上にわたり交通事故被害の解決に力を入れてきました。実にその相談件数は14,000件以上に上っています。

医学的知見が豊富

MIRAIOは、医療過誤(医療ミス)やB型肝炎訴訟にも力を入れていますので、医師との協力関係もあり、医学的な知見を豊富に持ち合わせています。
特に、後遺障害がどの等級で認定されるかについては、示談金の金額に大きく影響します。例えば、弁護士基準による第2級の慰謝料は2370万円ですが、これが第1級に上がると2800万円となり、実に430万円もの増額が可能なのです。
そして、この認定を左右するのが医師の診断書です。MIRAIOであれば、医学的知見を駆使して、より高い後遺障害等級の認定が得られやすい診断書についてのアドバイスをすることが可能です。

損害保険会社の代理人経験も!経験豊富な弁護士が多数在籍

MIRAIOには、交通事故被害に関する経験が豊富な弁護士が多数在籍しています。中には、大手損害保険会社の代理人経験のある弁護士もおります。
示談金がいくらになるかについては、保険会社との交渉次第ですので、相手側の事情に通じていればその分交渉が有利となり、より多くの示談金をえるための効果的な戦略を立てることができます。

相談料・着手金無料!

MIRAIOでは交通事故の示談交渉の相談料・着手金は無料です。安心してご相談ください。
※ただし、弁護士費用特約付きの保険に加入されている場合は、保険会社の補償の範囲内で相談料や着手金をいただく場合があります。

MIRAIOでの解決事例

実際の解決事例をいくつかご紹介します。
※あくまでも一例ですので、すべての事件において同じような示談金を獲得できるとは限りません。

死亡事故のケース
バイク事故被害者:20代 男性 会社員
事故の概要:バイクで走行中に、前方不注意の自動車と衝突し、死亡した。

慰謝料(被害者本人分):約2500万円
慰謝料(遺族2人分):約500万円
逸失利益:約4600万円
葬儀代:約150万円
治療費等:約80万円
賠償金合計:約7800万円あまり

まさかの提示額10万円からの大逆転!示談金900万円を獲得!
被害者:40代 女性 アルバイト
事故の概要:自転車で横断歩道を走行中に、左折してきた自動車に衝突された。
過失割合:被害者10%
後遺障害等級:12級
保険会社の提示金額:10万円
最終的な示談金額:約900万円

最終的に後遺障害とまで認定される大怪我を負ったにもかかわらず、保険会社からの当初の提示額はたったの10万円でした。
MIRAIOは、保険会社が審査すらしていなかった後遺障害の認定を得ることに成功し、それに伴い、後遺障害の慰謝料として290万円、逸失利益として約560万円を獲得しました。さらに、怪我の慰謝料や休業損害の増額にも成功し、最終的には約900万円の示談金を獲得しました。

保険会社から目を疑うような示談金を提示され、もっともらしい説明を受けたとしても、簡単には同意しないでください。納得できないところがあれば、示談書にサインする前にMIRAIOにご相談ください。

まとめ ~死亡事故の損害賠償請求~

空を見上げるさて、以上見てきましたように、交通事故で死亡してしまった場合には、被害者のご遺族が、慰謝料だけでなく、逸失利益、葬儀関係費用、生前の治療費休業損害などの損害賠償を請求することができます。
示談交渉は、四十九日の法要が終わってから始めるのが一般的ですが、当座の費用を賄うため、示談成立前でも賠償金を受け取る方法もあります。
ただし、原則として死亡から5年という消滅時効制度がありますので、注意が必要です。

賠償金の計算方法については、専門的な知識や経験が求められますので、示談交渉は弁護士にご相談されることをお勧めします。