事業再生コンサルとは?その役割とコンサルティング力の見分け方

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  ご存じのとおり、事業再生を一言でいうと、資金繰り悪化や債務超過等に陥っている企業の事業を再建し、経営の健全化を図ることです。これらは自前で実施することは容易なことではありません。事業再生のため金融機関に相談するのもひとつの手ですが、経営再建のために経営陣の右腕としてコンサルを行っている会社や法人は多くあります。そこで、事業再生コンサルとはどんな役割を担っているのか?どんな会社・法人があるのか、そしてその見分け方を解説します。

事業再生コンサルの仕事と役割

  コンサルタントの仕事はハードですが、特に事業再生コンサルタントは、肉体的はもとより精神面でも非常に気を遣います。恰好よさそうとか先生気取りでは通用しません。
経営環境の変化により、資金繰りが悪化して経営危機に瀕している企業や、不採算な事業があって、財務状況が悪化している企業に対しては、まずは財務諸表の分析を行ったうえで、経営者からのヒアリングを随時行って、事業構造や業務あり方など多角的な視点で、企業の現状を分析していきます。
そして、企業存続のためにはどんなアクションが必要かプランニングをします。具体的には、金融機関とのリスケジュールなどの交渉にはじまり、不採算事業の縮小や整理、組織構造まで関与し、企業のリストラクチャリングを検討します。事業再生コンサルの場合、自らが経営の一員となって、企業再構築(リストラクチャリング)を先頭に立って指揮し、実行することもあります。
上記は仕事と役割の一例となります。殺伐とした雰囲気に入りコンサルティングを実行するので、先生でもなくコメンテーターでもない、泥臭い仕事として経営陣と一緒に汗をかかなくてはなりません。課題解決までの間、知力だけでなくプロジェクトに対する推進力や体力がないコンサルタントでは、契約先から担当変更も遠慮なく打診されてしまいます。会社の存続がかかっていますのでそれほど大変な仕事であり役割を担っています。立て直し

事業再生を知るための5つのキーワード

  先述のとおり、自社独自で事業再生を実施することは容易ではありません。そして、どこに事業再生コンサルを依頼すれば良いか、判断もなかなかできないと思います。馴染みのない言葉が多いと思いますが、事業再生に関わると会話の中で横文字が多く出てきます。先ずは事業再生を知るための用語として、5つキーワードを覚えておきましょう。

※ハンズオン
投資ファンドやベンチャーキャピタルなど投資会社が、社外取締役を派遣するなどして経営の舵とりを行い、企業価値を上げるサポートをします。ハンズオン型コンサルとも言われており、事業再生を行う企業だけでなく、上場を目指すベンチャー企業やM&Aに関わる際などにも直接経営に参画します。
※ターンアラウンド・マネージャー
ターンアラウンドとは経営学の用語になります。債務超過に陥り経営破綻する可能性が高い企業に、企業価値を高めるための陣頭指揮を執る責任者として登用され、経営を立て直す事業再生・企業再生のスペシャリストを指します。かつて日産自動車の経営再建を担ったカルロス・ゴーン氏がこの役割にあたります。
※事業再生ADR
会社経営が行き詰まった企業の事業再生を目指すにあたり、会社更生法や民事再生法、破産法などのように、裁判所による強制力を持った法的な紛争解決の手続を利用することなく、当事者間の話し合いをベースとして事業再生するための問題を解決しようとする手続のことを言います。ADRとは裁判外紛争解決手続き(Alternative Dispute Resolution)の略です。
※サービサー
金融機関の債権を買い取り回収する機関のことで、平成11年2月の「債権管理回収業に関する特別措置法(通称:サービサー法)」の施行により、民間債権回収会社の設立が可能となりました。債権回収のほかにも個別に法務大臣の許可を受け、事業再生業務など、債権回収に関わる様々なサービスを提供しています。因みにかつては、委託を受けて他人の債権の管理回収をする業務は弁護士にしか業務は許されていませんでした。
※リスケジュール
リスケジュールとは、銀行などへの月額返済額の減額や返済期間の延長など、返済条件の変更を行うことです。リスケと略した言い方もされていますが、金融機関にローンの返済条件を変更してもらうことを意味します。資金繰りが苦しくなった企業が、銀行などの金融機関から融資を受ける場合などに約束した支払条件を、銀行との話し合いによりそれまでの条件より緩く変更することです。返済を一定期間猶予してもらうことによって、経営の立て直しを図るのが一般的な手段となっています。

事業再生コンサルを行っている会社・法人6

  そもそも事業再生コンサルを行っている会社や法人ってどんなところがあるのでしょうか。事業再生コンサルのみ専業として行っている会社や法人はほぼ無いと思われますが、コンサルティングファームや税理法人などで事業再生コンサルのサービス実績のある会社・法人をここではご紹介します。
ビジネスシーン

コンサルティングファーム

株式会社 経営共創基盤
長期的・持続的な企業価値・事業価値の向上を目的とした常駐協業(ハンズオン)型成長支援企業。成長支援や創業段階での支援あるいは事業再生や再生支援など、企業における事業の様々な発展段階における経営支援を実施しています。資本金は31億円で大手金融機関や商社など名だたる企業が株主となっております。
フロンティア・マネジメント株式会社
弁護士・会計士・税理士などの士業の専門家や、経営コンサルタント・アナリスト、そして投資銀行など金融機関出身者や、事業会社出身者などで構成され、事業再生以外にも経営コンサルティングやM&Aアドバイザリーサービスなど提供しています。社員数も200名以上おられ様々な分野の視点から経営問題の解決にあたっております。
株式会社フラッグシップ経営
大阪府 大阪市にあり、中小企業特化型の事業再生・経営改善専門コンサルティングを行っております。代表者の方は中小企業診断士の方です。主要メンバーの方々も中小企業診断士を中心とした士業の方が多く、上述の2社と比較すると規模は小さいですが、認定経営革新等支援機関として評価を受けております。

税理士法人

税理士法人エム・エイ・シー
福岡県の税理士法人で地域密着型の支援を行っています。業績不振や債務超過などでお困りの企業を、税務・会計顧問として培ってきた経験とノウハウで健全な経営状態へと導いてきた実績多数あり。認定経営革新等支援機関として評価を受けています。
税理士法人漆山パートナーズ
東京 四谷にある税理士法人です。起業、相続、事業承継などのサービスを提供していますが、企業再生や事業再生分野において銀行債務のリスケジュールのための銀行を説得するための事業計画、返済計画の作成を支援しています。2019年、士業の先生が選ぶ先生の選び方に代表者の方が推薦されております。
TAXパートナーズ税理士法人
東京 日本橋にある会計事務所で、事業法人を対象とした会計・税務・財務・経営に関する総合的なサービスを提供しています。グループにはファイナンシャル・アドバイザリーサービスを行っているCPAパートナーズ株式会社もあり、事業再生のみならず株価算定や財務デューデリジェンスなど多角的に企業分析や支援を行っています。

優秀なコンサルタントの見分け方

  事業再生コンサルティングを外部に依頼する場合、経営者やその取り巻きのボードメンバーは、外部のコンサルタントに任せておけば安心という考えを捨て、強い当事者意識を持って事業再生に臨まなくてはなりません。そして、そのメンバーを率いるコンサルタントは更に強い当事者意識がないと、依頼された会社からコンサルタント変更して欲しいなんて言われ、お役御免という結果になります。そこで、事業再生コンサルタントに限った話ではありませんが、優秀なコンサルタントの4つの特性を記載します。
※当事者意識
自身がクライアント先の従業員、経営者としてのマインドを持って経営再建のためにプロジェクト遂行できる人。他人事でなく自身の事として、自ら手を動かせる人。プロジェクト推進のためコンサルをアサインされたから関わっているだけといった感覚がある方は向きません。
※マネジメント
メンバーを纏める強いリーダーシップとコミュニケーションの質とスピードが重要です。悪い話は早めに次の対応を考え軌道修正がすぐにできる人が優秀であります。事業再生の場合、早期に業績回復を求められるので時間も限られています。コメンテーターだけではマネジメントは通用しません。
※腰が低い
これはコンサルタントのみならず、普通の会社員でも同じです。謙虚な人でないとクライアントに信頼されません。自意識過剰ではなく、何事にも謙虚な姿勢で取り組める人が優秀なコンサルタントには多いです。
※空気を読む力とマメな対応
今、クライアント先で何が起こっているのかという空気を読む力と、プロジェクト進行以外にもマメな対応と気遣いができる人は優秀です。特に事業再生コンサルの場合、経営状況が急に変わる可能性があるので、レールに乗ってスケジュールとおりコンサルティングを実行しようと考える人は優秀とは言えません。
コンサルタントの仕事は頭脳明晰で心身ともに強くないと出来ない仕事なので、これらの対応ができる人は優秀なコンサルタントが合わせ持っている特性です。メリットデメリット

事業再生を検討する際の相談先

  第3章でコンサルティングファームや税理士法人の紹介をしましたが、以下のように具体的な相談が明確になっていない場合は、弁護士法人 法律事務所MIRAIOに相談してみては如何でしょうか。

・今後の経営について誰に相談すればよいのかわからない。
・事業をこのまま継続していけるのか不安がある。
・金融機関との話し合いがなかなか上手くいかず、資金繰りに困っている。

  弁護士法人 法律事務所MIRAIOは弁護士への相談は無料で税理士も所属しております。財務諸表、税務申告書、補助金・融資申請に必要な書類等があれば適切な解決方法を提案いたします。その上で、どこに事業再生の支援を依頼するべきか検討しましょう。

さいごに
国内の中小企業の4割近くが10年間のうち5回以上営業赤字となっています。
団塊の世代が75歳を迎える2025年問題を念頭に1年後、3年後の事業がどうなっているか考えてみましょう。
そして、経営に余力にあるうちから事業再生を検討し、先ずは自社の課題が何か相談してみては如何でしょうか?