給付金を早くもらうには?B型肝炎訴訟の期間と手続きの流れを解説!

手続にかかる期間
女性B

B型肝炎給付金って、申請すれば2~3か月で振り込まれるのかしら?なるべく早く受け取りたいのだけど・・・

B型肝炎給付金を受け取るには、裁判所の訴訟手続きが必要です。通常の訴訟よりは、ずいぶん簡略化されてはいますが、それでも1年以上はかかります。

ここでは、B型肝炎訴訟の流れと手続きの段階ごとにかかる期間を説明します。さらに、具体的に何に時間がかかるのか、時間を節約し、なるべく早く給付金を受け取るにはどうすればよいか、についても解説していきます。

「急がば回れ」
まずは、焦る気持ちを抑えて、この記事を読むことが、一番の近道となるでしょう。

B型肝炎訴訟とは国に損害賠償を請求する手続き

「B型肝炎」とは、B型肝炎ウイルスに感染することによって起こる肝臓の病気です。

「B型肝炎訴訟」とは、幼少期の集団予防接種等(予防接種またはツベルクリン反応検査)によって、B型肝炎ウイルスに感染した方などが、国に損害賠償を請求するための手続きです。

B型肝炎ウイルスは、血液などによって感染しますが、昔の集団予防接種等では、注射器(注射針や注射筒)の回し打ちが横行していました。そのため、子どもから子どもへと感染が拡がってしまったのです。

国は、このような事態を把握できたにもかかわらず、注射器の回し打ちを止めるよう適切な指導をしませんでした。そのため、国の過失が問われ、平成18年には最高裁判所の判決により国の賠償責任が確定しました。

平成24年1月には、B型肝炎の給付金制度が始まり、国による損害賠償は給付金という形で支給されることになりました。

B型肝炎訴訟にかかる期間と和解から入金までの手続きの流れ

B型肝炎訴訟の準備を始めてから、給付金を受け取るまでにかかる期間は、1年6か月から2年ほどです。

ただし、追加資料が求められた場合や事案によっては2年以上の期間が必要な場合もあります。

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それでは、下の流れに沿って、手続きの段階ごとにかかる期間を見ていきましょう。

Procedure flow and required period for hepatitis B proceedings

必要書類の収集から提訴までの期間は3~5か月

必要書類の収集から提訴までにかかる期間は、だいたい3か月から5か月です。書類の収集に3か月から4か月、それらの書類の精査や、訴状などの作成に2週間から1か月ほどかかります。

必要書類は、血液検査結果、医療記録(カルテ)、母子健康手帳やそれに代わる医師の意見書、戸籍謄本などの公文書など、多岐にわたります。

特に、医療記録(カルテ)は、医療機関に申請してから開示されるまでに1か月以上かかることもありますので、それを複数の医療機関から収集するとなると、非常に時間がかかります。

必要書類の詳しい内容については、こちらの記事をご参照ください。

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提訴から和解成立までの期間は1年~1年半

提訴してから和解成立までにかかる期間は、だいたい1年から1年6か月です。事案によっては、2年以上かかることもあります。

提訴した後は、国による証拠資料の確認が行われますが、国は厚生労働省の限られた人員で対応しているため、確認だけで約1年かかります。

国の確認が終わると、和解の方向で進めるか、追加資料の提出を求めるかの連絡が入り、国との交渉が始まります。
つまり、約1年は、国の確認を待つだけで、交渉すら始まらないのです。

国の求めにより追加資料を提出した後は、さらにその追加資料の確認のために、6か月から1年の期間がかかります。

和解成立から給付金受け取りまでの期間は約2か月

和解成立から給付金受け取りまでにかかる期間は、約2か月です。

裁判所で和解が成立したら、裁判所が2週間ほどで和解調書を作成します。

そして、その和解調書とともに、社会保険診療報酬支払基金に給付金の支払いを請求します。その1か月半後には、給付金を受け取ることができます。

B型肝炎訴訟で和解できる確率は?最新の和解状況は?

法務省の発表によると、2022年1月31日現在のB型肝炎訴訟の原告(提訴した人)は、累計96,974名で、そのうち77,101名と和解が成立しています。
つまり、提訴した人の約8割がすでに和解しているということになります。

◆全国の提訴・和解状況(2022年1月31日現在)

  • 原告数(提訴者数):96,974名
  • 和解成立者数:77,101名

ただし、集団予防接種でB型肝炎ウイルスに感染した人は、43万人以上と推計されていますので、まだまだ全体の20%程度の人しか提訴していないことになります。

なお、最新の提訴件数・和解件数については、次のWEBサイトをご確認ください。
法務省「B型肝炎訴訟 訴訟の状況」

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B型肝炎訴訟のメリット・デメリット

B型肝炎訴訟の手続きをすることによるメリットとしては、次の3つです。

  1. 給付金が受け取れる
  2. 一定の定期検査が無料になる(感染から20年以上経っている無症候性キャリアの場合)
  3. B型肝炎の病状が進行したら、追加給付金が受け取れる

一方、B型肝炎訴訟の手続きをすることによるデメリットとしては、次の2つです。

  1. 必要書類の収集に手間がかかる
  2. 費用がかかる

なお、せっかく手間や費用をかけて準備をしても、給付金の条件を満たさないため請求できないというリスクがある点についても注意が必要です。

法律事務所MIRAIOにご依頼いただいた方のうち、約半数の方は条件を満たさないため提訴まで至りません。一方、提訴することができれば、90%以上の方が給付金を受け取っています。

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B型肝炎訴訟でカルテがない時の対処法

カルテ(診療録)については、「保険医療機関及び保険医療養担当規則」で次のように定められており、医療機関には、診療が終わってから5年間の保存義務があります。

そのため、5年以上前の古いカルテについては廃棄処分されている可能性があるのです。
このように、すでにカルテがない場合には、次の対処法を試み、カルテに代わる資料を集めましょう。

  • 保険会社に提出した診断書・入院証明書などを取得する
  • 健康診断結果を取得する
  • 死亡診断書を取得する
  • 当時の主治医に意見書を書いてもらう
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なるべく早く給付金を受け取るための方法

なるべく早くASAP

このように、B型肝炎訴訟で給付金を受け取るには時間がかかります。
少しでも時間を短縮して、なるべく早く給付金を受け取るには、次のような方法があります。

無駄なく効率的に必要書類を収集する

必要書類の中でも、血液検査結果、診断書、医療記録(カルテ)などの病院関係の書類の収集に時間がかかります。そのため、無駄なく効率的に収集することが重要です。

まず、本人の血液検査を優先するのか、母親の血液検査を優先するのか、もしくは2人同時に検査した方がよいのか、あるいは、検査の前に医療記録(カルテ)を収集した方がよいのかなど、事案によって効率的な方法はさまざまです。

また、医療記録(カルテ)についても、「いつ」の、「どの診療科」の、「どのような種類」の記録が必要かを適切に特定して申請した方が、効率的に収集できます。

なるべく不足書類がないように提訴する

提訴の段階で、必要書類をなるべく完璧にそろえて提出しましょう。

不足書類があると、国から追加資料の提出を求められます。そして、その追加資料を国が確認するために、余分に6か月から1年ほどの期間がかかってしまいます。

このような無駄な時間を費やさないためにも、なるべく不足書類がないように提訴することが重要です。

結論として、経験豊富な弁護士に依頼することが一番

このように、効率的かつ不足がないように必要書類を収集することが、B型肝炎訴訟にかかる期間を短縮し、早く給付金を受け取るための近道と言えます。

そのためには、経験豊富な弁護士に依頼して、その弁護士のアドバイスを得ながら書類を収集したり、書類収集自体を、可能な限り、弁護士に任せてしまった方が良いのです。

特に、医療記録(カルテ)や公文書(戸籍謄本、住民票、戸籍の附票など)については、弁護士が代わりに申請した方が、手間も時間も圧倒的に節約できるのです。

B型肝炎の給付金(和解金)は最大3,600万円

B型肝炎の給付金(和解金)は、病態(B型肝炎の病状)に応じて、次のように定められています。

B型肝炎の最終的な病態(最も重い病態)を発症してから20年経ってしまうと、給付金(和解金)の金額が大幅に下がってしまいます。B型肝炎訴訟は、なるべく早めに手続きしましょう。

病態死亡・発症時期
感染時期
直近の病状
治療内容
給付金(和解金)
死亡・肝がん・肝硬変(重度)死亡・発症から20年未満3600万円
死亡・発症から20年以上900万円
肝硬変(軽度)発症から20年未満2500万円
発症から20年以上・直近1年で肝硬変の症状がある
・一定の治療を受けたことがある
600万円
・直近1年で肝硬変の症状がない
・一定の治療を受けたことがない
300万円
慢性肝炎発症から20年未満1250万円
発症から20年以上・直近1年で慢性肝炎の症状がある
・一定の治療を受けたことがある
300万円
・直近1年で慢性肝炎の症状がない
・一定の治療を受けたことがない
150万円
無症候性キャリア感染から20年未満600万円
感染から20年以上50万円

B型肝炎給付金がもらえない人はどんな人?

給付金をもらうには、一定の条件を満たしている必要がありますので、B型肝炎だと診断されても、必ずしも給付金がもらえるわけではありません。

例えば、次のような人は、B型肝炎給付金がもらえません。

  • B型肝炎ウイルスに持続感染していない人(一過性感染の人)
  • 生年月日が昭和16年7月2日より前の人
  • 生年月日が昭和63年1月28日以降で、二次感染者の条件を満たさない人
  • 一次感染者の条件を満たさない母親または父親から感染した人
  • 幼少期の輸血などが原因で感染した人
  • 成人後に感染した人
  • ジェノタイプAeの人
  • 証拠資料を提出できない人

詳しくは、次の記事をご参照ください。

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B型肝炎訴訟を弁護士に依頼するメリット

B型肝炎訴訟で国に給付金を請求するためには、裁判所の手続きが必要です。
自分ひとりで手続きをすることもできますが、専門的なノウハウが必要ですので、手間や時間がかかります。スムーズに手続きするには、法律の専門家である弁護士に依頼する方がよいでしょう。

B型肝炎訴訟を弁護士に依頼することで、次のようなメリットがあります。

B型肝炎訴訟を弁護士に依頼するメリット

訴状などの書類作成を任せることができる

給付金を請求するには、訴状や証拠一覧などの書類を作成しなければなりません。
これらは、裁判所に提出する書面ですので、法律の専門家である弁護士に任せた方が、迅速に、滞りなく作成することができます。

B型肝炎訴訟を弁護士に依頼するメリット

必要書類収集のサポートを受けることができる

裁判所には、証拠資料となる血液検査結果や医療記録(カルテ)、公文書など、さまざまな書類を提出します。これらの必要書類を収集するには、医療機関や市区町村役場、場合によっては、卒業した小学校などとも、やりとりしなければなりません。
ご自身で、全てこのようなやりとりを進めると、かなりの労力を要しますが、弁護士がいれば、わからないときにアドバイスを受けたり、医療機関や役所への案内書を作成してもらったりすることができます。

B型肝炎訴訟を弁護士に依頼するメリット

書類の精査により不備を防ぎ、迅速に給付金を受け取ることができる

集めた必要書類を、そのまま提出するだけでは、内容が間違っていたり、不足があったりします。完璧に集めたつもりでも、医療記録などの記載内容によって、新たな事実が判明し、追加書類を求められることもあります。
その点、弁護士がいれば、提出前に書類を隅々までチェックし、入念に精査しますので、極力、不足書類が出ないように準備することができます。その結果、給付金を受け取るまでの期間を短縮することが可能です。

B型肝炎訴訟を弁護士に依頼するメリット

裁判所への出廷を任せることができる

裁判所には、平日の日中に出廷しなければなりませんが、普通に働かれている場合には、なかなか日程を調整するのが難しいのではないでしょうか。
弁護士に依頼していれば、弁護士が代理人として、代わりに裁判所に出廷してくれますので、ご自身で出廷する必要はありません。その結果、時間と労力の大幅な節約ができるでしょう。

B型肝炎訴訟を弁護士に依頼するメリット

給付金の4%分が上乗せで支給される

弁護士に依頼して、手続きをした場合は、給付金の4%分が訴訟手当金として上乗せ支給されます。例えば、弁護士に依頼して、50万円の給付金が支給される場合は、その4%の2万円が上乗せされ、総額52万円が支給されます。

B型肝炎訴訟ならMIRAIOへ!

1 MIRAIOの実績(2023年10月末現在)

  • 相談件数 46,000件以上
  • 提訴件数 9,600件以上
  • 和解件数 9,100件以上
  • 獲得給付金 827億円以上

MIRAIOは、給付金制度が始まった平成24年当時から、他の事務所に先駆けて、B型肝炎給付金のご相談をお受けしてきました。その結果、上記のような豊富な実績が積み重なっています。
そして、多くの案件を扱うことで、さまざまなノウハウが蓄積され、迅速かつ的確な事務処理ができる体制が確立されています。

2 セカンドオピニオンもOK!他の事務所に断られた方のご相談もお受けします!

「他の事務所に相談したところ、給付金の対象外だと言われてしまった・・・」
このようなお問い合わせをいただくことがよくあります。
改めてMIRAIOでお話をお聞きすると、確かに困難なケースもありますが、調査によっては、まだまだあきらめるには早いと思われるケースも多くあります。
あきらめる前に、一度MIRAIOにご相談してみてください。

3 必要書類の収集をしっかりサポート!代わりに取得することも可能!

MIRAIOでは、必要書類収集のアドバイスや案内書の作成だけでなく、医療機関や役所と直接やりとりをして、代わりに書類を取得することも可能です。
特に、病院の医療記録(カルテ)や血液検査結果については、専門的な用語も多く、わかりにくいところがありますので、MIRAIOが直接、病院とやりとりをした方が圧倒的にスムーズに取得することが可能です。

4 医療過誤の相談実績7000件以上!医師との協力体制も

MIRAIOでは、B型肝炎給付金請求を手がける前から、医療過誤(医療ミス)に関する訴訟にも力を入れてきました。その相談実績は、7000件以上にのぼっています。
そのため、医療に関する基礎知識やカルテの読解方法などのノウハウが豊富で、医師との協力体制も充実しています。その結果、診断書やカルテを精査してお客様にとって有利な情報を見つけ出し、さらに医学的な観点を踏まえて主張することが可能です。

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B型肝炎給付金の相談料は、何回でも無料です。
また、電話やWEBでのご相談も可能で、ご来所いただく必要はありません。
万全の態勢で、全国からのご相談をお待ちしております!

6 和解後に病状が進行しても安心!追加給付金の請求も格安でサポート

国と和解をして給付金を受取った後に、B型肝炎の病状が進行してしまった場合には、追加給付金を請求することができます。
例えば、慢性肝炎で1250万円の給付金を受け取った後に、肝がんを発症してしまった場合には、肝がんの給付金3600万円と、受け取った1250万円との差額の2350万円が追加給付金として支給されます。
MIRAIOでは、この追加給付金の請求手続きについて、追加給付金の4%(税込4.4%)という格安の報酬でお手伝いいたします。