弁護士が教える 空き家の固定資産税 解決のための8つのポイント

固定資産税

 

空き家の固定資産税の問題 弁護士が解決のための8つのポイントを解説します!

「亡くなった両親が住んでいた実家を相続したけど,誰も住む予定がなく空き家のまま…まったく利用していないのに固定資産税って支払わないといけないの?誰が払うの?いくら支払うの?」

こんなお悩みを抱えている方も多いと思います。

 

空き家の固定資産税の8つのポイント

1 誰も住んでいなくても毎年固定資産税がかかる

2 金額は,固定資産税評価額の1.4%が基本で,そこから軽減される

3 固定資産税の他に,都市計画税も毎年かかってしまう

4 所有者が亡くなっているときは相続人が連帯して支払わないといけない

5 空き家独自の減免処置はない むしろ上がることもある

6 相続人の支払いは,役所で代表者を指定しましょう

7 支払い放置は危険 延滞金や差押えの危険あり

8 抜本的解決は,相続問題を解決しての売却!

 

空き家問題に精通した弁護士が,詳しく,そして,分かりやすく解説していきます!

 

読み終われば,空き家の固定資産税は誰が払うのか,いくら払うのか,どのように払うのか…たくさんのお悩みがスッキリ解消することでしょう。

1 不動産にかかる税金 固定資産税と都市計画税

空き家を含め不動産を所有していると,固定資産税と都市計画税の2つの税金がかかります。

固定資産税:不動産を所有していると必ずかかる 固定資産税評価額の1.4%

都市計画税:市街化区域内の不動産を所有しているとかかる 固定資産税評価額の0.3%

以下では,この2つの税金について解説していきます。

 

固定資産税の金額は固定資産税評価額の1.4%が基本

固定資産税の基本の税額は,固定資産税評価額に1.4%をかけた金額です(自治体によって多少の差があります)。

固定資産税評価額は,実際に売ったり買ったりするときの金額(実勢価格)ではなく,役所が個別に定めた金額です。実勢価格の7割程度になることが多いと言われています。固定資産税評価額は,役所で固定資産税評価証明書を取得すれば簡単に分かります。

 

住宅用地の場合は,住宅用地特例の軽減が受けられて,敷地面積によって,土地の固定資産税が3分の1か,6分の1に下がります。

敷地面積が200平方メートルまでは6分の1,200平方メートルを超える部分は3分の1です。

 

例えば,固定資産税評価額が,建物500万円・土地が3000万円で,土地全体に6分の1の軽減が受けられる場合ですと…

建物:500万円×1.4%=7万円

土地:3000万円×1.4%×6分の1=7万円

合計:14万円

です。

 

住宅用地特例の他に,新築建物の軽減処置などもあります。

 

都市計画税がかかることも!

不動産を所有していると,固定資産税の他に,市街化区域内の建物・土地には都市計画税もかかります。

市街化区域とは,都市計画法に基づき「すでに市街地を形成している区域及びおおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」として,都道府県が指定した地域です。お住いの市区町村が市街化区域に指定されているかは,市区町村のホームページを確認すれば分かることが多いです。

都市計画税の基本の税額は,固定資産税評価額に0.3%をかけた金額です(自治体によって多少の差があります)。

住宅用地の場合は,住宅用地特例の軽減が受けられて,敷地面積によって3分の1か,3分の2に下がります。

敷地面積が200平方メートルまでは3分の1,200平方メートルを超える部分は3分の2です。

 

例えば,固定資産税評価額が,建物500万円・土地が3000万円で,土地全体に3分の1の軽減が受けられる場合ですと…

建物:500万円×0.3%=1万5000円

土地:3000万円×0.3%×3分の1=3万円

合計:4万5000円

です。

 

 

固定資産税 誰か支払うか3つの注意点

誰も住んでいない空き家であっても,毎年固定資産税がかかります。

法律上,誰かが住んでいる・住んでいないに関わらず,不動産(固定資産)があるだけで税金がかかってしまうのです。

けっして安くはない空き家の固定資産税ですが,いったい誰に支払い義務があるのでしょうか?

 

毎年1月1日に登記簿上の所有者に課税される

固定資産税は,毎年1月1日に,不動産登記簿に所有者として登録されている人に課税されます。

1月1日に所有者であれば,たとえ翌日の1月2日に手放したとしても,その年1年分が課税されます。

 

所有者が亡くなっている場合は相続人に支払い義務がある!

では,登記簿上の所有者が亡くなっている場合はどうでしょうか。

残念ながら,誰も支払わなくていい…とはなりません。所有者の相続人の方に,支払い義務が移ります。

1月1日以降に亡くなってまだ今年の固定資産税を支払っていなかった場合と,1月1日以前に亡くなった場合とで,厳密には分けて考える必要がありますが,結局は「相続人が支払う義務がある」と覚えておけば大丈夫でしょう。

 

相続人の支払い義務は「連帯」責任

空き家の相続人は「連帯」して支払い義務を負います。これはつまり,相続人ひとりひとりが,固定資産税全額の支払い義務を負っているということです。もちろん,二重・三重取りされることはなく,誰か1人が全額支払えば,他の相続人は役所への支払い義務がなくなります。その後は,法定相続分に従って,相続人間で清算していくことになるでしょう。

 

 

空き家独自の固定資産税減免処置はない むしろ上がることもある!

実は,空き家独自の固定資産税減免措置はありません。誰も住んでいないのに,住んでいる不動産と同じなのは納得できない方もいらっしゃると思いますが,残念ながらそういった制度はないのです。

ただ,住宅用地特例などの減税処置が適切に適用されていないこともありますので,納税通知書の金額が高いと思った場合は,役所(税務課など)に確認にしてみるのが良いでしょう。

 

むしろ,空き家の固定資産税について注意しないといけないのは,逆に上がってしまうことがあることです。

 

管理のできていない特定空き家は固定資産税が3~6倍になる

管理のできていない空き家

空き家の固定資産税で注意しないといけないのは,空き家を放置して,管理のできていない特定空き家(空き家特措法)になってしまうと,土地の固定資産税が3~6倍になってしまうことがあることです。

そのような空き家は,住宅用地特例による減税処置を受けられなくなっていますからです。

倒壊などの危険がある,ゴミ屋敷など衛生上問題のある,ホラーハウス化して景観を損なっているなどの場合には,固定資産税が上がってしまうことがあるので,注意が必要です。

 

更地にすると土地の固定資産税が上がってしまう!

「空き家の管理が面倒なので,いっそのこと取り壊して更地にしよう!」と考えるのは,注意が必要です。

建物を撤去して更地にしてしまうと,住宅用地特例による減税を受けられなくなることで,土地の固定資産税が3倍から6倍に上がってしまうからです。

 

都市計画税も同じ

都市計画税も,管理のできていない特定空き家だと,住宅用地特例の適用がなくなって土地の税額が1.5倍から3倍に上がってしまうことがありますし,更地にした場合も同様に上がってしまいます。

 

 

相続人はこうやって固定資産税を支払いましょう ― 納税代表者の指定

所有者が亡くなった年の固定資産税で,未納付(未払い)のものがある場合は,相続人で期限までに支払う必要があります。役所(税務課など)に行って,納税代表者を指定しましょう。

また,亡くなった年の翌年以降も相続登記をしないのであれば,役所(税務課など)に行き,納税代表者を指定します。指定をすると,納税通知書が代表者のもとに届くようになり,支払い忘れも防ぐことができます。

 

 

固定資産税の支払い放置 2つの大きな危険

「誰も住んでいないのだし,固定資産税を支払うのはもったいないから無視しよう…」はとても危険です。

固定資産税の支払いを放置すると,延滞金の発生や差押えの危険があるからです。

この2つの危険について,解説していきます。悩み

 

 

 

延滞金が発生する

固定資産税を期限までに支払わなかった場合,延滞金が発生します。

延滞金の利率は,支払い期限から1か月を境に大きく変わります。支払い期限から1か月までは年2.6%(日割計算),支払期限から1ヶ月以降は年8.9%(日割計算)にまで上がってしまいます。

 

最悪,滞納処分(差押え)がされることも

支払いを無視し続けると,滞納処分をされることもあります。空き家になっている不動産や,あなたのお給料や預金などを,差し押さえられてしまうことがあるのです。

滞納税金は,銀行などの民間金融業者からの借金とは違い,裁判を経由することなく,いきなり差押えにいくことができます。また,お給料の差押えだと,借金では原則手取り金額(源泉徴収後)の4分の1しか差し押さえることができませんが,滞納税金ではもう少し多くを差押えできることも多いのです。

*国税庁ホームページ:https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/chosyu/05/01/06/076/01.htm

差押えは,完済するまで毎月差押えが続きます。また,勤務先にも税金滞納がバレてしまいます。

◆固定資産税の支払いが厳しいときはきちんと役所に相談しましょう◆

経済的理由で支払いが難しい場合は,猶予制度を利用できることもありますし,滞納処分を待ってくれることもありますので,まずは役所(税務課など)に相談にいくことをお勧めします。

 

 

 

どうにかしたい!そんなときはMIRAIOに相談!

 

根本的解決は売却…でも相続問題が

利用していない空き家の固定資産税を支払い続けることは,とてももったいないことです。固定資産税だけでなく,都市計画税や,管理費用もかかることがあります。

抜本的解決は,誰かに売却することです。

ただし,相続した空き家を売却するには,相続登記をきちんとする必要があります。

ですが,長いこと放置していたので,相続人がどこにいるか分からない…などの問題が起こっていることもあります。

空き家の相続問題は,なかなか解決が難しいことも多いのです。相続関係図

 

MIRAIOで相続問題を円満解決!

空き家の相続でお困りの方は,ぜひ法律事務所MIRAIOにご相談ください。

MIRAIOは,空き家の相続問題を積極的に取り扱っている法律事務所です。無料の電話相談も行っています。

経験豊富なMIRAIOの弁護士が,相続問題の円満解決のお手伝いをします。

 

まとめ

空き家の固定資産税についてのお悩み,スッキリ解決できましたでしょうか?

 

空き家の固定資産税の8つのポイントについておさらいをしますと,

 

1 誰も住んでいなくても毎年固定資産税がかかる

2 金額は,固定資産税評価額の1.4%が基本で,そこから軽減される

3 固定資産税の他に,都市計画税も毎年かかってしまう

4 所有者が亡くなっているときは相続人が連帯して支払わないといけない

5 空き家独自の減免処置はない むしろ上がることもある

6 相続人の支払いは,役所で代表者を指定しましょう

7 支払い放置は危険 延滞金や差押えの危険あり

8 抜本的解決は,相続問題を解決しての売却!

 

となります。

 

固定資産税も税金ですから,放置すると滞納処分などの危険もあります。お困りの場合は,役所(税務課など)や,弁護士・税理士といった専門家にもご相談ください。