こんな場合は借金が残る!?自己破産で借金が免責される要件を解説

借金に追われる

「自己破産をすれば、借金の理由を問わず、全ての支払いが免除されるの?」
「自己破産をしても免除の対象外があると聞いたけど、どのようなものが対象外?」

自己破産の手続きを選択する方々の中でも、借金が積み重なってしまった理由は様々あると思います。
そのような中で、自分の自己破産の手続きが無事に終わるのか(借金が免除されるのか)というのは非常に気になるところですよね。
この点、自己破産さえすればなんでもかんでも支払義務が免除されるわけではなく、借金等を作った原因が理由で免除されないものや、債務の性質上免除されないものがあるのです。
そこでここでは、

・免責とは何か
借金の原因等が理由で免除されない可能性のあるケース(免責不許可事由)
借金等の性質上免除されないもの(非免責債権)
・その他、免責に関するよくあるご質問(Q&A)

といったことを解説します。
これをご覧いただくことで、自己破産の手続きをすると支払いが免除されるもの/されないものをご理解いただけ、自己破産の手続きを選択した場合に免責されるのか?といったご不安な点を少なからず解消できるのではないかと思います。

自己破産手続きの概要(破産しただけでは借金は免除されない!)

自己破産

一言で「自己破産」といっても、実は、以下のように「破産」と「免責」という2つの手続きがあるのです。

◆ 破産
自分の持っている財産を吐き出してお金に換えて、それを債権者へ分配するといった財産を清算する手続

◆ 免責
破産をしても残った借金を免除してもらう手続

つまり、「破産」だけをしても借金が免除されるわけではないのです。
ですから、一般的には、自己破産の手続きをするときは、裁判所に対して「破産」と「免責許可」を同時に申し立てます。

免責すべきか問題となる場合(借金をした原因等に問題がある)

文句を言われる

自己破産の手続きをしても、借金をした原因等が理由で、裁判所が借金等を免除(免責)すべきかどうか問題視する場合があります。
具体的には、破産法252条に「裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする」と規定されており、原則として免責が許可されないケースが列挙されています(これを「免責不許可事由」といいます)。

ここでは、破産法で規定されているもののうち、自己破産手続きにおいて比較的問題になることが多いケースをご紹介、解説します。

ケース1

借金の原因が浪費、ギャンブル等によるもの

免責が問題となる典型例として一番多いといっても過言ではない行為です。

社会経済情勢の変化による減収やリストラなど、こういった事情でやむを得ず生活費として借金をした、ということであればお金を貸した債権者としても免責の決定に納得をしてくれます。
しかしながら、

・パチンコや競馬等のギャンブルにのめりこんで大損をした
・ソーシャルゲームにはまって多額の課金をした
・身の丈に合わない買い物を続けた
・エステや旅行など、贅沢がやめられなかった

こういったことで借金をした場合、債権者からすると「遊んで楽しんでいい思いをして、返せなくなったからチャラにしてくれなんて、そんな虫のいい話はない!」となる訳です。
ですから、こういったことが借金の主な原因である場合は、免責されない可能性があるのです。

また、賭博などのこういったギャンブル性の高い行為を「射幸(しゃこう)行為」と呼ぶのですが、その他の射幸行為として、株取引FX取引先物取引などもあります。

ケース2

換金行為、高利業者からの借入れがある

<換金行為の問題点①>
クレジットで物品を買って、これを使うのではなくすぐに売却してお金に換える行為、これを「換金行為」といいます。
一見すると「自分で買ったものを売ることのどこに問題が?」と考えがちですが、クレジット(分割)で物品を買った場合、代金が完済されるまではクレジット会社に所有権が残されている(留保されている)ことが多いのです。こういった場合にその物品を売却したとなると、他人(クレジット会社)の物を売却してしまったということになります。クレジット会社としては、物品を引揚げ・換価して自身の債権に充当することができなくなってしまうため、当然文句を言いたくなります。

<換金行為の問題点②>
換金行為が問題となる場合について、違う側面を解説します。
それは、換金をして得られるお金が、負債よりもずっと低い場合です。例えば、30万円のクレジットを組んで購入したパソコンを換金したとしましょう。あくまで中古(新古品)ですから売却価格は7~8割といったところでしょうか、そうなると、入手できるお金は21~24万円程度で、差引部分は単純な負債です。ですから、差引部分は余計に負債を増加させたことになり、破綻を加速させる迷惑行為として問題になり得るのです。

<高利業者からの借入れ>
いわゆる「ヤミ金」からの借入れです。
こういった業者は、法律で定められた利率をはるかに上回る金利での貸付を行っており、また、執拗な督促もあることから、利息を支払うために次々に借入れを重ねることとなり、その結果としてやはり破綻を加速させる迷惑行為として問題になり得るのです。

ケース3

一部の債権者のみ有利な扱いをした

ある債権者には返済をして、その他の債権者には返済しないまま自己破産の手続きをすることになったように、一部の債権者にのみ偏った返済(これを「偏頗(へんぱ)弁済」と呼びます)をすることです。

自己破産の手続きにおいては、その前提として全ての債権者を債権額に応じて平等に扱うという「債権者平等の原則」というものが存在します。一部の債権者にのみ返済をすることは、他の債権者にしてみれば「あの債権者だけズルいではないか」という気持ちになりますし、文句が出てしまう訳です。

とかく多いのが、親族や知人からの借入れについて、「あの人にだけは迷惑をかけたくない」「あの人には破産のことを知られたくない」という考えで、その人にだけは返済(完済)をして、貸金業者だけを残して自己破産をする、といったことです。

ケース4

過去に自己破産で免責許可決定を受けたことがある

過去に自己破産の手続きをして、免責許可の決定を受けてから7年】を経過していない場合免責の許可を得ることは原則としてできません

前回破産をしてからそれほど経過していないのに、また破産をするなんて、以前のことを全然反省していないではないか!」という政策的な配慮に基づくようです。

ケース5

手続きに誠実な態度で臨まない場合

自己破産の申立人には、その財産や借入れの原因等につき、誠実に、真実を報告する義務が課されます。こういった義務に反し、財産隠しはもちろんのこと、説明を拒否したり、虚偽の説明をしてしまうと、免責が得られないことがあります

また、裁判所や破産管財人から、裁判所等への出廷を命じられることもあります。こういった命令に特別な事情(本人や家族の急病等)もなく応じないと、やはり免責が得られないことがあります。

上記に当てはまると、絶対に免責の許可がもらえないという訳ではない!

ここまで、免責の許可が受けられない場合についていくつか解説をしてきました。
とはいえ、これらの事由に該当してしまうと絶対に免責許可が受けられないという訳ではありません
特に、浪費等の過去の行為は消すことができませんので、重要なのは過去の行為をどれだけ反省していて、同じ過ちを犯さないためにどのように生活再建を考えているか、ということを裁判所に対して示すことです(これらをまとめて「裁量免責事由」といいます)。
どのようなことを裁量免責事由としてアピールするか、その辺については自己破産の手続きを依頼した弁護士とよく打合せをしましょう。

※なお、前回の免責許可から【7年】を経過していない場合の再度の免責申立てについては、よほどのこと(裁量免責を認めなければ過酷な結果を招くような事情)がない限り、裁量免責が認められないことが多いようです。

※免責不許可が予想される場合には、破産免責申立てを避け、個人再生手続を検討することになります。

自己破産しても免責にならない性質の債権

認められない

ここでは、自己破産の手続きをしても、その債権の性質上免責にならないもの(これを「非免責債権」といいます)のうち、自己破産手続きにおいて比較的問題になることが多いケースをご紹介、解説します。

先ほどの「免責不許可事由」は全体として免責の許可が受けられないものであるのに対して、この「非免責債権」というのは、その債権だけ破産免責の効果が及ばないものです。

免責されない債権1

租税等の請求権

滞納している税金や、国民健康保険国民年金の保険料のことです。

税金には、国税(所得税、相続税等)のみならず、地方税(市県民税、固定資産税、自動車税等)も含まれます。

これらは、免責の対象外として支払義務が残ります。滞納したまま放っておくと滞納処分(財産の差押え等)を受けかねませんので、役所と分納等の相談をすることをおススメします。特に、国民健康保険料は滞納のままにしておくと保険証が使えなくなったり、国民年金は将来の年金受給額に影響を及ぼします。

自己破産をすることを役所へ告げて相談をすると、免除や支払猶予などの対応をしてくれる場合もありますので、是非相談をしてみましょう。

免責されない債権2

ある種の損害賠償請求権

かなり大まかに説明をすると、他人の者を盗んだり、騙し取ったり、会社のお金を横領した場合や、交通事故で相手を怪我させてしまった場合等の損害賠償に関するものです。

悪意で加えた不法行為による損害や、人の生命・身体に及んだ被害については、免責による債務者の生活建て直しよりも被害者救済を優先すべきとしたというところに趣旨があります。

免責されない債権3

養育費・婚姻費用

養育費の支払義務がある人が自己破産手続きをして免責許可を得られたとしても、その効果は養育費には及ばず、支払義務が残ります。自己破産したからといって、子の親である事実がなくなるものではなく、扶養義務は継続するからです(婚姻費用も同様です)。

※ 自己破産と養育費に関する詳細については、こちらの記事もご参照下さい。

免責されない債権4

罰金等の請求権

刑罰としての罰金科料のみならず、行政罰としての過料なども含まれます。

借金とは性質が異なりますので、これらも免責の効果が及ばず、納付義務が残ります

免責に関するよくある質問

Q&A

ここでは、自己破産手続きにおける「免責」に関するよくあるご質問をご紹介します。

債権者から免責に対する文句が出るとどうなるの?

文句の内容を確認して、反論を裁判所へ提出しましょう。

債権者は、裁判所に対して免責に対する文句(異議)を申し出ることができます。債権者からの異議は、裁判所が「免責を認めるかどうか」を判断するための1つの要素であって、議がでてしまうと免責の許可が得られないということではありません。そして、万が一異議が出てしまったとしても、異議に対する反論をする機会もあります。

なお、著者の実感として、個人の債権者が「借金がチャラになるなんて許せない」といった個人的感情から異議を出してきた場合に免責許可に影響を及ぼすことは少ないように思いますが、ごく稀に、異議によって「債権者隠し」「財産隠し」等の虚偽申告が判明するといったケースもあります。こういった稀なケースでは免責許可に大きな影響を及ぼしますので、債権者からの異議というのは決して軽視はできません。

数年前に自己破産の手続きをして免責許可を受けたけど、そのときに申告を忘れていた債権者があった。この分は、支払義務は存続することになるの?

ケースバイケースです。

前回の手続時に、その債権者を故意(あえて)または重過失(かなりのうっかりミス)で債権者として申告していなかった場合には、前回の免責許可の効果が及ばず、支払義務が存続していることもあります。一方で、その債権者の存在を知ることができなかったために債権者として申告していなかった場合には、免責の効果が及んでいることもあります。

また、債権者側が、前回の手続時にその手続きが進行していることを知ることができた(手続きへの参加など権利行使の機会が保障されていた)場合なども、免責の効果が及んでいると言えることがあります。

いずれにしても、法的な検討が必要ですので、まずは弁護士等の専門家に相談されることをおススメします。

免責許可を受けてから、どのくらい経過すればブラックリストから外れるの?

一般的には5~10年程度とお考え下さい。
自己破産を選択すると、信用情報(いわゆる「ブラックリスト」)に事故情報として掲載されますが、一般的にその掲載期間は、免責許可決定から5~10年程度と言われています(5年や10年を経過すれば自動で情報が削除されるものではなく、各債権者によって対応は異なります)。

法律事務所MIRAIOでの債務整理をおススメする3つの理由

弁護士が説明

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おススメする理由②

相談実績の中で培われた豊富なノウハウがある

破産や個人再生の手続きは、地方裁判所ごとにその独自の運用があることが多く、その運用に応じた提出書類や財産基準、免責許可の判断基準の捉え方が必要になってきます。これは、いかに法律を詳しく知っていようがなんとかなるものではなく、実際に裁判所とのやりとりなどを経た経験がものをいいます

この点、法律事務所MIRAIOでは、債務整理の相談実績27万件超の中で培ってきた数々の経験から、各裁判所から求められる提出書類、裁判所が捉える財産基準等といった傾向を蓄積・分析したノウハウがあります。この経験があるからこそ、ご依頼者様に想定外のご負担をおかけする可能性を極めて低くすることができます

おススメする理由③

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POINT

まずはMIRAIOへご相談下さい

いかがでしたでしょうか。
免責とは何か、どういった場合に免責の対象外となるのかをご理解いただけたのではないでしょうか。

「絶対に免責の対象外!」

とは言い切れない場合もありますので、まずは弁護士とのご相談をおススメします。