B型肝炎ワクチンのすべて!費用、スケジュール、副作用など簡単解説

予防接種を受ける赤ちゃん
疑問を抱える女性

B型肝炎ワクチンって、大人になってからでも打てるのかな?
費用がいくらとか、副作用も気になるわ・・・

B型肝炎ワクチンは、だれでも接種することができます。ただし、体調や体質によっては控えた方が良い人もいますので、注意が必要です。

ここでは、B型肝炎ワクチンの接種方法、スケジュール、費用、副反応(副作用)などについて、わかりやすくまとめています。
これを読めば、お子様のワクチン接種のためや、ご自身のワクチン接種のためにもお役立ていただけるでしょう。

B型肝炎ってなに?

B型肝炎とは、B型肝炎ウイルスに感染することによって起こる肝臓の病気です。

B型肝炎ウイルスの感染経路

B型肝炎ウイルスは、血液などの体液を介して感染します。

主な感染経路としては、母子感染(出産前後に、母親から胎児や出生児に感染すること)、父子感染などの家族内感染、性交渉などがあります。

以前は、輸血集団予防接種時の注射器の回し打ちでも感染が起こっていましたが、現在はしっかりと感染予防がされています。

B型肝炎ウイルスに感染するとどうなる?

肝炎って何?

B型肝炎ウイルスが肝臓の細胞に入り込むと、免疫機能によって、ウイルスを体外に排除しようとしますが、その際に肝臓の細胞(肝細胞)も一緒に攻撃してしまうために、肝臓が炎症を起こし、肝機能が低下してしまいます。
これが肝炎です。

具体的な症状としては、次のようなものがあります。

  • 食欲不振
  • 全身のだるさ(けん怠感)
  • 発熱
  • 吐き気と嘔吐
  • 黄疸(皮膚と白眼が黄色に変色すること)

免疫機能が発達した大人がB型肝炎ウイルスに感染すると、1か月から6か月の潜伏期間を経て、肝炎を発症します。
症状は数週間から最大6か月継続します。
これが急性肝炎です。

一方、免疫機能が未熟な乳幼児期にB型肝炎ウイルスに感染すると、ウイルスを体外に排除することができずに、ウイルスが体内に残り続けてしまいます。
このようにして、ウイルス感染が6か月以上継続することを持続感染といいます。

持続感染した人の85%~90%は、無症状のままですが、10%~15%の人は慢性肝炎(6か月以上、肝機能異常が継続すること)を発症します。
さらに、そのうち数パーセントの人は、肝硬変肝細胞がんに進行してしまう恐れがあります。

B型肝炎ワクチンってなに?

ワクチン

B型肝炎ワクチンとは、B型肝炎の予防接種のことです。

B型肝炎ワクチンの効果

ワクチンを接種することにより、B型肝炎ウイルスの抗体(免疫)を獲得することができ、ウイルスにさらされても感染や発症をしにくくなります。

抗体を獲得するには、4か月~6か月の間に3回接種する必要があり、その効果は20年以上続くと言われています。

ただし、接種する年齢によって抗体獲得率が落ち、40歳までは抗体獲得率95%ですが、40歳から60歳で90%、60歳以上になると65%から70%に落ちてしまうというデータもあります。

B型肝炎ワクチンの注射の種類

B型肝炎ワクチンは、皮下注射か筋肉注射によって接種することができますが、皮下注射が一般的です。

皮下注射とは、皮膚と筋肉の間にある皮下脂肪にワクチンを注入する方法で、吸収されるのが緩やかで、効果が長続きします。

一方、筋肉注射とは、皮下脂肪の下にある筋肉にワクチンを注入する方法で、吸収が速く、即効性があります。皮下注射よりも筋肉注射の方が、痛みが少ないです。

B型肝炎ワクチンの接種方法(接種の機会)

B型肝炎ワクチンの接種方法(接種の機会)には、次の3つがあります。

  1. 定期接種(乳児期) 
  2. 母子感染防止のための接種(出生直後~乳児期) 
  3. 任意接種(すべての年齢)

定期接種

定期接種とは、法律に基づいて、市区町村が実施する予防接種です。

定期接種の対象者

定期接種の対象者は、平成28年(2016年)4月1日以降に生まれた0歳児です。

1歳になる前に3回接種する必要があり、1歳になってしまうと定期接種の対象外となってしまいます。

また、母子感染防止のためのワクチン接種を受ける場合も、定期接種の対象外です。

定期接種できる場所

定期接種は、市区町村から委託を受けた医療機関で受けることができます。

具体的な医療機関については、市区町村のホームページや、役所から配布される定期接種のご案内などを確認してください。

定期接種のスケジュール

B型肝炎ワクチンスケジュール_定期接種

定期接種のスケジュールは上表のとおりです。

1回目が生後2か月、2回目が1回目から4週間の間隔を空けた生後3か月、3回目が2回目から16~20週間の間隔を空けた生後7~8か月です。

定期接種の費用

定期接種は公費で賄われますので、費用は無料です。

母子感染防止のための接種

母子感染を防止するため、B型肝炎ウイルスに感染している母親から出生した児にはワクチンが接種されます。この制度は、昭和61年(1986年)1月から実施されています。

母子感染防止のための接種の対象者

母子感染防止のための接種の対象者は、B型肝炎ウイルスに感染している母親(HBs抗原陽性の母親)から出生した児です。

母子感染防止のための接種ができる場所

母子感染防止のための接種は、出産した産婦人科などの医療機関で受けることができます。

母子感染防止のための接種のスケジュール

B型肝炎ワクチンスケジュール_母子感染防止

母子感染防止のための接種スケジュールは、上表のとおりです。

1回目が出生直後(生後12時間以内)、2回目が生後1か月、3回目が生後6か月です。

母子感染防止のための接種の費用

母子感染防止のためのワクチン接種の費用は、健康保険が適用されます。

一般的には、自己負担割合は接種費用の2割です。

任意接種

1歳に達してから、あるいは、大人になってからワクチンを接種したい場合には、任意接種という方法があります。各自が、個別に医療機関でワクチンを接種します。

任意接種の対象者

特に対象者の制限はなく、全ての年齢の人が接種することができます。

ただし、体調や体質によっては、ワクチンを接種することができませんので注意が必要です。詳しくは第5章をご確認ください。

任意接種できる場所

お好きな医療機関で受けることができます。かかりつけ医やお近くの内科、小児科などにお問い合わせください。

任意接種のスケジュール

B型肝炎ワクチンスケジュール_任意接種

任意接種の一般的なスケジュールは、上表のとおりです。

まずは、すでにB型肝炎ウイルスに感染していないかを確認するため、事前にB型肝炎ウイルス検査を受けます。
感染していなければ、ワクチンの1回目を接種します。2回目は1回目の4週間後、3回目は2回目の16~20週間後です。
最後に、抗体ができたかを確認するため、3回目の4~8週間後に抗体検査を受けます。

任意接種の費用

任意接種は自由診療になりますので、費用は全額自己負担です。

接種費用の相場は、1回あたり5,000円~10,000円です。

B型肝炎ウイルス検査、抗体検査の費用の相場は、1回あたり5,000円ほどです。合計すると、全部で25,000円~40,000円かかります。

B型肝炎ワクチンの副反応(副作用)

B型肝炎ワクチンは、世界的にも安全性が確認されており、多くの国で乳児に接種されています。
ただし、5%ほどの割合で、次のような副反応(副作用)が起こる可能性があります。

ワクチンの副反応

  • 頭痛
  • 接種部位の痛み、かゆみ、はれ、しこり、発赤(赤くなること)
  • 発熱
  • 悪寒
  • 筋肉痛、関節痛
  • 発疹
  • 吐き気
  • 下痢
  • 食欲不振

多くの場合は、このような症状は回復しますが、気になる症状や体調の変化が現れたら、すぐに医師に相談しましょう。

B型肝炎ワクチンを接種する前の準備

母子健康手帳

B型肝炎ワクチンを接種する前には、次の準備をしましょう。

  • 体温を測って、体調の変化がないか確認すること
  • アレルギーがある場合には、副反応が出る可能性があるため、事前に医師に相談すること
  • 定期接種の場合は、次のものを持参すること
    ①母子健康手帳
    ②予診票(市区町村から郵送等で配布されます)
    ③健康保険証

B型肝炎ワクチン接種後の注意

赤ちゃんの入浴

B型肝炎ワクチンを接種した後は、次のことに注意してください。

  • 接種後30分くらいは医療機関の中で安静にして、様子を見ること
  • 寄り道などせずに帰宅し、自宅で安静にすること
  • 接種箇所を清潔に保つこと
  • 接種箇所をこすらないようにすること
    ※接種当日の入浴は可能です。

B型肝炎ワクチンを接種できない人

次のような人は、B型肝炎ワクチンを接種することができません。

  • 明らかな発熱がある人
  • 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな人
  • ワクチンの成分によってアナフィラキシー(重いアレルギー反応)を起こしたことがある人
  • それ以外で予防接種を受けることが不適当な人

また、次のような人も注意が必要ですので、接種前にかかりつけ医によく相談するようにしましょう。

  • 心臓、血管、腎臓、肝臓、血液に持病がある人
  • 発育に障害がある人
  • これまでの予防接種で、接種後2日以内に発熱や全身性発疹等のアレルギーを疑う症状が出た人
  • 過去にけいれんの症状が出たことがある人
  • 過去に免疫不全の診断を受けたことがある人
  • 近親者に先天性免疫不全症の人がいる人
  • ワクチンの成分に対してアレルギー反応を起こすおそれのある人
  • 妊婦または妊娠の可能性がある人

まとめ

B型肝炎ワクチンとは、B型肝炎ウイルスへの感染や発症を防ぐことができる予防接種です。

1歳になるまでは、定期接種か母子感染防止のための接種という方法があります。
1歳になってから、あるいは、大人になってから接種するには、ご自身で選んだ医療機関で接種(任意接種)してください。
ワクチンは、6か月以内の期間で3回接種する必要がありますので、スケジュールにはご注意ください。

ただし、B型肝炎ウイルスに、すでに感染してしまっている人、すでにB型肝炎ウイルスキャリアと診断されている人は、ワクチンを接種しても効果がありません。

そのような場合は、肝疾患専門医療機関を受診するなど、定期的に肝臓の経過観察を受けるようにしましょう。

また、B型肝炎ウイルスキャリアの人は、訴訟手続きによって、国から給付金が支給される可能性がありますので、一度、弁護士にご相談されることをお勧めします。

B型肝炎給付金については、次の記事をご参照ください。

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 2022.06.24