事業再生による会社の立て直しを実現したい!そのための施策とは?

事業再生アイキャッチ

新型コロナウィルス感染症ということばを初めて見聞きしたのは、2020年1月頃だったのではないでしょうか。その後、日を増すごとにニュースで大きく取り上げられ、3月上旬からは全国ほぼ全ての小中高の学校が臨時休校となり、2020年の4月7日から5月25日には政府から緊急事態宣言が発動されました。

あれから1年、2021年1月8日より特別措置法に基づく緊急事態宣言が1都3県に発出されました。この記事の執筆時は、医療崩壊が既に始まっており飲食店などの営業時間短縮が行われております。飲食店のみならず、旅行業界などインバウンド事業、影響を直接受けている業界と取引がある企業の経営に係るみなさま、以下のようなお悩みはございませんか?

・複数ある事業のひとつがモロに影響を受け売上が激減している
・事業計画が当初の想定通り進んでいない
・この状況が続くと債務の返済が苦しくなる可能性大
・売上が毎月減収減益となっており、資金繰りに問題が生じ始めている

このような状況の場合、廃業に陥る前に事業再生による、会社の立て直しを検討しましょう。

事業再生とは

事業再生とは、業績不振や債務超過が原因で会社が倒産する状態に陥った際に、そのまま会社を清算するのではなく、債務の一部免除や返済期間の繰り延べなどを行い、事業の再構築をすることです。事業の再構築は採算部門と不採算部門を明確にし、不採算部門からの撤退や資本の増強を実行する、事業そのものを別会社に譲渡するなど、経営の健全化を目指します。

なお、事業再生のポイントとして、お金になるからと手当たり次第に資産売却や処分を行うと、事業価値は大きく毀損することになるので、再建の見込みがある場合には、先ずは再建計画をきちんと立てて事業再生を目指しましょう。事業再生とは

事業再生のメリットとリスク

第1章で述べたとおり、事業再生は業績不振や債務超過が原因で会社が倒産する状態に陥った際に経営の健全化を目指すための生き残りをかけた施策です。そして、この事業再生においては、メリットもあればリスクもありますので以下に記述します。

事業再生の4つのメリット

事業再生が実現できれば、破産とは違う大きなメリットがあります。では、事業再生のメリット4つを解説します。4つのメリット

事業の存続が可能となる

事業再生を実現できた場合、会社を消滅させることなく存続させることができます。一方、法人破産の手続きを行うと会社は消滅してしまいます。勿論、一部事業の譲渡や資産の売却など痛みも伴いますが、企業経営を継続したいと考える会社にとっては、大きなメリットです。

従業員の雇用が確保できる

事業再生のメリットの2つ目は従業員の雇用が確保できることです。一定程度の雇用は維持することが期待できます。事業再生は事業の再構築を行いますので雇用調整による人員・人件費の見直しはケースによって様々ですが、従業員の雇用を一定程度は守ることができるのもメリットです。

会社や経営者の社会的信用が保たれる

事業再生を実現できた場合、長年に渡って積み上げてきた実績や地位は守られます。一方、法人破産の手続きを行う場合、事業だけでなく会社や経営者が積み上げてきた実績や地位なども失われてしまいます。当然、事業再生に至った経緯の説明などステークホルダーに対する経営責任は大きいですが、会社が消滅するわけではないため、社会的信用は保つことができます。

リスケジュールによる資金繰り見直し

債務の返済が厳しい場合、金融機関と交渉して一定の期間、支払い額を軽減してもらう方法でリスケとも言います。金融機関との折衝により返済条件を組み直して貰うこととなりますが、事業から生み出される利益を債権者への債務返済に充てることができるため、事業計画の見直し・策定は綿密なものが求められますが、事業継続には大きなメリットです。

事業再生の2つのリスク

事業再生を行うにあたり、事業の将来性や財務状況の把握、取引先との関係性など多岐に渡り綿密な分析が必要になります。結果として事業再生は難しいといった場合も当然出てきますが、リスクとして大きく2つ挙げられます。困っている人

資金繰り見直しの失敗

不採算部門の別会社譲渡や事業閉鎖、不良債権の売却など行って利益の出る体質になったとしても、黒字化の見通しが立たない・想定した利益が出ないなど、特に昨今のコロナ禍では何が起きてもおかしくはありません。事業再生が上手くいかなかった場合、結果として早めに法人破産等の法的整理をしたほうが、負債額が少なくて済んだというリスクもあります。そうならないための対策として、事業や会社全体について第三者評価を税理士や弁護士などに依頼し定量的かつ客観的に分析して貰うことが重要です。

スポンサーが見つからなかった場合

事業再生を行うには、財務状態の把握や再生計画の策定だけでなく、事業運営のための資金確保やスポンサー企業の支援など、さまざまな手続きが必要です。リスクとして、黒字化の見通しのない事業やスポンサーのつかない事業しかない場合には、事業再生ができません。更に、資金繰りのために黒字事業や闇雲に不動産等を売却してしまうと、先々となって事業再生をする運営資金がショートしかねません。そうならないための対策として、事業承継M&Aを実施している会社に依頼し事業継続にマッチした会社を仲介して貰うことも検討しましょう。

事業再生が実現できる2つの必須条件

事業再生が実現できる必須条件は2つあります。それは「資金繰りの正常化」と「コア事業の維持」です。

資金繰り正常化の実現

まず、第2章の【事業再生のメリットとリスク】の両方に記述のある資金繰り問題ですが、金融機関との交渉による債務免除やリスケジュールの調整を行い、返済の余地があることが必須となります。そのためには、借入している金融機関から理解を得るための材料を有していることに加え、新たなスポンサーからの投資を得ること等により資金繰りが正常化できれば、事業再生は可能となります。資金繰り

コア事業の維持存続の実現

そして、もうひとつの必須条件は「コア事業の維持」です。事業再生において、ノンコア事業の見直し以上にコア事業の維持存続を図ることは事業再生の重要課題です。コア事業を残すということは、その事業に関わる主要な従業員の雇用を維持したまま事業再生を目指せます。逆にコア事業の付加価値が高いからと支援のない第三者に事業譲渡することや売却などの選択をした場合、その後の生き残りは非常に厳しいものとなります。

事業再生による立て直しの3つの手法

事業再生のための手法は、その会社の置かれている状況によって様々なものがあります。第三者によるスポンサー支援型や投資ファンドによるM&A・事業再生ADRなどの私的整理から民事再生や会社更生といった法的整理まで多岐に渡ります。ここでは代表的な立て直しの3つの手法を解説します。

M&Aによる事業再生

M&Aによる事業再生ですが,第三者からの支援や投資ファンドによる再生、株式譲渡や会社分割などがありますが、ここでは第三者、所謂スポンサーの支援によるM&Aと投資ファンドによるM&Aを紹介します。エムアンドエー

スポンサー支援によるMA

中小企業をはじめとする多くの企業が経営者の高齢化が起因し、外部のスポンサーから支援を受けるM&Aによる事業再生が増えてきています。スポンサーに増資の引受と払込を行ってもらい、その資金を債務の弁済に充てるスキームとなります。当然、これによって全てが上手くいくとは限りませんが、資本割合は変わっても法人格はそのまま残ります。スポンサーとなる企業の資金力や信用があれば、倒産することなく事業継続が可能となります。

投資ファンドによるM&A

2020年当初からのコロナ禍によって資本経済の構造が激変する中、多くの企業では経営計画や戦略の見直しが最大の経営課題となっております。そのような中、投資ファンドによる事業再生の活用も多くなっています。事業再生や企業を対象に資金を集め、事業再生の経営陣として投資ファンドがかかわるケースもあります。具体的には、資金繰りの見直しや不採算事業の売却、営業戦略見直しによる黒字化を目指し、事業再生の支援した後は株式の売却や上場といった手法でリターンを得ています。

事業再生ADRによる支援

まず、そもそもADRって何?と思う方が多いでしょうが、AはAlternative(代替的)・DはDispute(紛争)・RはResolution(解決)の頭文字をとって「ADR」と言います。これは裁判外紛争解決手続のことで、訴訟手続によらない紛争解決方法を広く指すものです。事業再生ADRは民事再生や会社更生など法的整理ではない私的整理となり、当事者間の話し合いをベースとして解決しようとする手続のことです。事業再生ADRは、借入金の返済に困った企業の問題を解決することに特化した制度で、2007年に導入されました。法務大臣の認証を受けた「認証紛争解決事業者」のうち、経済産業大臣の認定を受けた「特定認証紛争解決事業者」が、中立的な第三者機関として手続きを進めていきます。現状では、「事業再生実務家協会」が唯一の機関となっており、馴染みのない方々が多いかもしれません。そこで、事業再生のメリット・デメリットや手続きの流れを掲載している法律サプリの記事ハイブリッド再生!事業再生ADRの5つのメリットと支援措置をご参照ください。

民事再生による事業再生

民事再生は事業再生M&Aや事業再生ADRといった私的整理ではなく、会社の倒産手続きの一つになります。但し、破産や会社更生とは違い、会社自身がイニシアチブをとって、主体的な経営再建ができる手続きなのです。具体的には、債務の返済がかさみ経営難に陥った会社が、裁判所に申請(申立)して、返済条件を見直して経営再建する「再建型倒産手続き」となります。似たような手続きに「会社更生」がありますが、会社更生の場合、裁判所が選んだ管財人という第三者が、会社の経営再建計画を管理・監督していくのに対し、民事再生の場合、会社自身が経営を継続しながら、自ら経営再建計画を立てて手続きを主体的に進めることができるのが特徴です。法律サプリの記事民事再生で主体的な経営再建!破産や会社更生との違いも簡単解説にどのような特徴があり、どのような流れで進んでいくのか、破産や会社更生とは何が違うのかが解説されていますのでご参照ください。

事業再生はどの分野の専門家へ依頼すべきか

事業再生を実現するには税務や財務など金融全般の知識のみならず企業法務に長けた専門家など、様々な専門家のサポートが必要不可欠となります。ここでは主な専門家を記述しますので自社の現状に照らし合わせてみてください。事業再生専門家

弁護士

事業再生のみならず、企業の再生に関わる法律面全般に関する助言やアドバイスを弁護士は行います。事業再生には法的な問題を解決することは避けて通れないため、弁護士の起用は必要不可欠です。弁護士

税理士

事業再生計画の作成、財務諸表の分析、資産・負債の算定、M&Aの際の事業価値算定など、税理士は財務面全般に関する助言やアドバイスを行う役目を果たします。特に金融機関との交渉のサポートなど、資金面に関する問題解決に、税理士は重要な役割を果たします。

中小企業診断士

他の士業との違いは独占業務がないということですが、れっきとした国家資格で国が認める経営コンサルタントでもあります。売上アップとコスト削減施策の実施や、事業再生計画の策定から金融機関との折衝など事業全般を様々な角度からサポートしてくれます。事業再生が可能かどうかを調べて貰うにはうってつけのスペシャリストです。

事業再生を検討する際はMIRAIO

事業再生に関し、専門家の協力が必要不可欠と第5章で記載しましたが、弁護士と税理士が中心となってワンストップでサービスを行っている、弁護士法人 法律事務所MIRAIOに相談してみては如何でしょうか。

・今後の経営状況について誰に相談すればよいのかわからない。
・事業をこのまま継続していけるのか不安がある。何とか再生したい。
・金融機関との話し合いがなかなか上手くいかず、資金繰りに困っている。
  弁護士法人 法律事務所MIRAIOは弁護士への相談は無料で、税理士も所属しております。

財務諸表、税務申告書、補助金・融資申請に必要な書類等があれば適切な解決方法を提案いたします。その上で、事業再生支援を依頼するべきか検討しましょう。ミライオ案内

【さいごに】新型コロナウィルス感染症の収束が見えない2021年が始まりましたが、終息にはかなりの時間がかかるのではと明言する医療専門家が多数います。そして、団塊の世代が75歳を迎える2025年問題も数年先に迫ってきており、何れにしても事業構造の転換を余儀なくされることでしょう。経営に余力にあるうちから事業再生を検討し、先ずは自社の課題が何か相談してみては如何でしょうか?