会社がある日突然、経営不振に陥った!その理由と改善策とは?

経営不振

新聞やテレビなどで出てくる「経営不振」ということば,よく見聞きしているのではないでしょうか。
実はこのことば,頻繁に見聞きするよりは,ある一定周期で見聞きことが多いのです。
それは,12月末と2月中旬、3月末と5月中旬になります。これは上場企業の決算期が12月期や3月期が圧倒的に多いからです。この時期は,事前の決算見通しや決算短信が公示されプレスリリースされるタイミングになります。
因みに,経営不振による突然の倒産や廃業などはこのサイクルとは別になります。

経営不振に陥る5つの理由

上場企業は,従業員やステークホルダー(利害関係者)がこのタイミングで詳細な経営状況を知ることが多いです。一方,非上場企業の場合,自社が経営不振かどうか?情報開示される業績数値は経営陣や幹部社員、経理部門しか知らない企業も非常に多いのも事実です。とはいえ,非上場企業でも,なんとなく事業運営が順調か厳しいかは,社内の雰囲気や賞与支給額等で計れるでしょう。
そこで,倒産原因の上位5位までの視点から,経営不振に陥る理由とその打ち手を判り易く解説します。冷静に自社を見たとき経営不振か否かの判断,そしてその改善策を見極めてみましょう。
中小企業庁ホームページ 掲載の倒産の状況によると,2013年から2019年にかけての原因別倒産状況は以下の通りとなっています。そこで,この原因を基に経営不振に陥る理由を解説します。

【倒産状況上位5原因】
1 販売不振    43,585件
2 既往のしわよせ   7,619件
3 連鎖倒産      3,309件
4 放漫経営      3,056件
5 過小資本      2,878件ビジネスマン落胆

販売不振

販売不振の原因は大きく「業界内の需要の変化」と「景気」の二つに分かれます。

業界内の需要の変化

ご自身が身を置いている業界はどこに属しますでしょうか。
業界内での競争スピードは非常に速く,時代のニーズに答えるよう販売先確保を念頭に置く必要があります。例えば,機械・電気・電子・半導体などの業界では日々製品の進化を遂げております。そのような中,中小企業においては需用に対する供給を迅速に対応できるか,需要の変化に対応できるかが鍵となります。
そのため,設備投資を行う一方,顧客獲得に奔走し販売先確保が安定的に出来るがかが,販売不振になるか否かの分かれ目になります。自社の販売先の安定確保は出来ていますか。

景気

世の中が好景気なのか不景気なのかは誰でも判断できると思います。自社の見極めとして,景気に左右されやすい業界または会社なのか?景気に左右されない又は不況時に強い業界または会社なのか振り返ってみましょう。
20208月現在,コロナ禍の煽りを受けた倒産が連日報道されております。
過去に遡れば,リーマンショックや東日本大震災後など,景気後退局面はありましたが,その際の販売実績はどう推移していたか?そして,現状の販売実績と照らし合わせてみると経営不振に陥っているのか,そうでもないのか月次売上の推移で検証しましょう。

既往のしわよせ

経営不振から倒産になった理由の第2位は「既往のしわよせ」です。既往とは,過ぎ去ったことを指す言葉で,しわよせの意味は,あることの結果生じた無理や矛盾を,他の部分に押しつけること。つまり,既往のしわよせとは,過去を振り返り,改善策を講じないまま,資産を食い潰していくことで倒産に至ることをいいます。
既往のしわよせの原因として・・・

・将来の経営計画が明確でない
・キャッシュフローなどの財務計画が策定されていない
・予実管理が出来ていない,行っていない
・取引先の新規開拓を怠っている

以上の4つが挙げられます。
これらを実施しないまま,現状資産の切り崩しを続けた結果,長年築いたものが無くなってしまったというケースが多いのです。未上場企業やオーナー企業だと,経営陣や経理財務担当以外は,キャッシュフロー計算書や貸借対照表・損益計算書といった財務諸表を目にする機会がなかなかないでしょう。
経営計画が従業員に適宜開示されているか,経営計画自体が時代の流れに即したものか?取引先の新規開拓は経営計画達成のためになされているか?などの視点で「既往のしわよせ」の予兆がないか見極めてみましょう。

連鎖倒産

3番目に件数が多いのは連鎖倒産です。連鎖倒産は関連企業から受けた倒産になりますが,代表的な連鎖倒産は,親会社やグループ会社の倒産の煽りを受けた倒産,もう一つは取引先倒産が相次ぎその煽りを受けた倒産になります
親会社やグループ会社,取引先の倒産であれば,販売不振の影響は極めて大きいことでしょう。
最近の事例として,株式会社ダーバン宮崎ソーイングや,株式会社ローゼといった,株式会社レナウンの子会社の倒産は連鎖倒産としての判り易い事案となります。(帝国データバンクより)
また,連結子会社以外であれば,株式会社デナリ・エージェンシーという広告代理店の連鎖倒産があります。(東京商工リサーチより)これは,旅行代理店のてるみくらぶホールディングスの経営破綻に伴い,主要取引先倒産の煽りを受けた事例になります。上場していなければ,親会社の経営状況がどうなのかを見極めるのは難しいかも知れません。
先ずは親会社の経営が順調なのかを知りましょう。そして親会社の経営状況を見極めるのも難しい中,取引先の経営状況を見極めるのはもっと難しいでしょう。
そこで,自社が連鎖倒産防止のための策として,中小企業倒産防止共済に加入しているか確認してみては如何でしょうか。 加入していればリクス連鎖倒産回避の施策となります。

放漫経営

経営不振による倒産に追い込まれる原因の第4位はなんと,放漫経営によるものです。放漫経営とは大きく二つに分けることが出来ます。ひとつは「ワンマン経営」でもうひとつは「同族経営」になります。

ワンマン経営

社内では経営トップの意見が全てであって,仮に事業計画を立案しても経営トップの一声で全てが変わるというケースです。日本の中小企業では非常に多いかと思います。一代で会社を大きくされた経営トップの方は成功事例を持ち合わせているため「自分の考えが絶対に正しい」「成功パターンに固執している」「周囲の意見は聞かない」というのが典型です。

同族経営

同族経営イコール家族経営,このケースも中小零細企業では非常に多いと思われます。親から子へ事業をしっかり承継されているケースも多いですが,会社は家族第一優先で,従業員は二の次であるという考えの会社があるのも事実です。会社を私物化するトップであったり役員が全員親族であったりすることで,血縁のない従業員を悩ませるというケースです。これらは度が過ぎると放漫経営且つ傲慢経営であるとも言われます。

何れもワンマンであったり経営が親族であったりする弊害として,既往のしわよせのような状態になってしまうことがあるかも知れませんね。今の時代だからこそ,内部留保をしっかり蓄えるようお願いしてみましょう。

過小資本

巷で「うちの会社は資本が薄いんだよね」ということばを耳にします。もともと中小企業は自己資本の少ない会社が多いのですが,最低資本金制度の撤廃で資本金が1円でも法人設立が可能になったことから,資本規模の小さな会社が増えています。
過小資本で会社を設立できるのは決して悪いことではありません。しかし,過小資本の会社によくあるケースとして,経常利益を税金の支払いに回すと,税引後利益が殆ど無くなってしまい,自己資本比率が低いままで経営を維持しているケースです。
過小資本のままだと,万が一不測の事態が発生したり,不況で事業運営が滞ると,たちまち倒産ということになってしまいます。
会社の体力があるうちに,自己資本の拡充を図ることが長く生き残る道であり,資本が増えると取引先の与信も信頼感が増します。内部留保を増やすのと構造は同じですが,余裕のあるうちに過小資本を解消していくため,自己資本の強化に努めましょう。

経営不振の改善策の打ち手と実行

経営不振の状態からの脱却は一筋縄ではいきません。最終的にはあらゆる角度から手立てを打たなくてはなりませんが,施策は大きく分けて以下の3つとなります。
・経費削減の実行
・資金繰り改善・資金調達の実施
・ビジネスモデルの再構築
これらを実施することで,次に打つ手立てが見えてくるかも知れません。コストと利益

経費削減の実行

経営不振だからこそ,無駄な経費の見直し・削減を実行しましょう。
削減の順序としては,
・一般管理費
・販売管理費
・販売管理費(人件費)
経費には事業維持のための「一般管理費」と,事業活動を推進し利益を上げるための「販売管理費」があります。
事業運営によっては順序が違ってくることもあるかと思いますが,基本的には上記の順番で経費削減の実行を行いましょう。

一般管理費

先ずは,売上を抑える前に無駄な費用を抑えることを念頭に,一般管理費から削減しましょう。一般管理費は判り易く言い換えると守りのための費用です。
主に,役員報酬・水道光熱費・消耗品費・減価償却費・租税公課・修繕費・賃借料などになりますが,事業活動の推進を止める前に事業維持のための費用の見直しを検討してください。役員報酬を除くと大概の科目が削減または抑制できるはずです。これらを見直してから,事業推進のための費用(いわゆる営業活動)の削減に着手しましょう。

販売管理費

販売管理費は事業活動を推進し利益を上げるための経費で,販管費ということばのほうが馴染みのあるかと思います。販売管理費は判り易く言い換えると攻めのための費用です。主に,広告宣伝費・運搬費・旅費交通費・交際費・通信費などになります。
これらは営業活動に必要だからという理由で過剰に使用しているケースもありますので,最低限に必要な経費以外は見直しが案外多く出来るかも知れません。

販売管理費(人件費)

多くの企業では販売管理費の大半が人件費で占められております。但し,経営不振という理由だけで,簡単に給与削減は出来ません。賞与は業績に連動していると思われますが,基本給は原則削減することは難しいです。
法的な対応や従業員のモチベーションといった問題が出てきますので,もし,人件費(人員)削減を行わなくてはならない際は,事前に弁護士に相談して用意周到な対処が必要です。人員や人件費の削減は会社の生き残りをかけた最終手段であって,その他販売管理費とは別で検討してください。

資金繰り改善・資金調達の実施

経営不振の場合,先ずは資金繰りを安定させること,そして資金調達の実施が円滑にできることが望ましいということは言うまでもありません。

資金繰り改善

資金繰りの目的は,すぐ先の未来の現金の流れを把握することです。したがって,目先の資金が枯渇してきた場合,資金繰りが上手くいっていないこととなります。だからこそ,安定した資金繰り改善が必要になります。
現状資金を把握,将来予測を基に資金計画を立てます。いつ資金が不足するかを分析し,資金調達の計画を立てるために,「資金繰り表」を作成してもいいでしょう。これらは弁護士や税理士といった専門家に依頼すると,銀行や取引先に資金繰り表を開示しても信頼感が増すことでしょう。ひとりで悩まず,弁護士または税理士に相談しては 如何でしょうか。

資金調達の実施

経営不振時の資金調達の実施ですが,調達方法は多岐に渡ります。何が申請でできるのか困っている経営者は,弁護士など専門家が各種申請代行を行ってくれる先もあります。下記に代表的な「融資」「給付金」「助成金」を記述しますが,制度としては様々なものがあります。
この時代だからこそ,何を申請し融資や給付金,助成金や補助金など事業運営に必要なあらゆる資金を確保し,資金繰りを安定させましょう。

融資

日本政策金融公庫では,セーフティネット貸付という,経営環境や金融環境,関連企業倒産など資金繰り改善のための融資制度があります。

給付金

経済産業省では,代表的な給付金例として,持続化給付金・家賃支援給付金といった制度があります。

助成金

厚生労働省では,雇用調整助成金の対応を行っています。

ビジネスモデルの再構築

実は現状,多くの企業がビジネスモデルの再構築に着手しています。多くの方が行っているITを駆使したテレワークやリモート会議,これはまさに今までとは違うビジネスとしての働き方です。
20204月,国内では政府の新型コロナウィルス感染症対策本部で「特別措置法に基づく緊急事態宣言」を発令しました。これを機に,企業は「組織体制」「業務体制」「事業戦略」「リスク対応」を大なり小なり気が付かないうちに,再構築しているはずです。
20208月末日現在,世の中は未だ緊急対応フェーズで従業員の安全と危機管理を推進しながら業績への影響把握を日々行っている段階です。
これが今後,収束フェーズ→回復フェーズの段階になると,旧来型のビジネスモデルからの脱却をし,再度成長基調へ向かう戦略構築をしなければなりません。
その際には,下記のような各種専門分野に特化したコンサルティングファームの協力を得ながら再構築を図ることも一考しましょう。経営戦略立案,IT戦略,組織人事まで各領域に特化した多くのコンサルティングファームがあります。
ここでは,中小企業に強みのある税務会計系と組織人事系とIT系のコンサルティングファームを紹介します。ビジネスネットワーク

税務会計系コンサルティング

山田コンサルティンググループ株式会社
会計士・税理士事務所を起源に持ち,財務や会計を基盤とする独立系・国内最大級の総合コンサルティングファームです。中堅・中小企業の経営を創業以来,長きに渡り支援しております。

組織人事系コンサルティング

株式会社トランストラクチャ
2002年に設立。組織・人事コンサルティングのリーディングカンパニーとして,合理的かつ構造的なアプローチで企業人事の変革と成長を支援いたしております。20204月,財務・会計システムおよび経営情報サービスを開発・販売する株式会社ミロク情報サービスの子会社となっております。

IT系コンサルティング

フューチャーアーキテクト株式会社
経営とITをデザインするという考えの下,経営戦略・業務改革・システム改革の3つの複合的視点をもって課題解決にあたります。現在だけでなく未来も見据えて,部分ではなく全体の最適化を考慮した方策を提案します。親会社は株式会社フューチャーです。

上記3社は一例として,コンサルティング領域別に企業紹介をしたものです。他にも数多くのコンサルティングファームがありますので,自社の優先課題を明確にし,経営不振を脱却するために活用することも一考してみましょう。

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