偏頗弁済は絶対にしないこと!個人再生手続きとの関係について解説!

偏頗

借金に悩み、ネットで借金の整理方法について調べたところ、個人再生という方法があることを知った。さらに調べてみると、自分に対する全債権者がこの手続きの対象になるようだ。自分は友人や父親からも借りているから、この人たちには迷惑をかけたくないな。そうだ、この人たちには、先に借金を返しちゃおう。そうすれば、この人たちには迷惑をかけないで済むはずだ。

借金に悩んでいる人のなかには、このように考えて、自分に近い人に対して借金を優先的に返してしまおうと考える人もいると思います。このような返済を、偏った返済ということで、偏頗弁済(へんぱべんさい)と言います。

でも、このような考えはやめましょう。偏頗弁済をしてしまうと、最悪の場合、個人再生手続きが認められないことになります。

先に大事なことを3点確認しておくと
・偏頗弁済をすると、その分、個人再生手続で返済額が上乗せされる可能性があります。
・偏頗弁済をしてしまった場合には、正直に弁護士・裁判所に伝えてください。
・債務整理を検討される場合には、まずは法律事務所MIRAIOへご相談ください。
ということです。

この記事を読み終われば、きっと不安が解消され、前に進むきっかけになることでしょう。

 

偏頗弁済とはどういうものなのか、簡単に説明します

偏頗弁済とは

 

偏頗弁済を簡単に説明すると、自分に対して、複数の債権者がいる場合に、そのうちの特定の債権者に優先的に返済をしてしまうことをいいます。

もっと正確に知りたいという興味をお持ちの方は、例えば、民事再生法という法律の127条の3や破産法という法律の252条1項3号を見てみてください。

 

さらにもう一歩解説!

このような偏頗弁済は、破産手続きでは免責不許可事由・否認権行使の対象行為になりますし、通常再生手続(※個人再生手続とは異なります。)では否認権行使の対象となります。

 

偏頗弁済が禁止される理由

ダメ

 

債権者平等の原則

偏頗弁済が、個人再生手続や自己破産手続きで禁止されている理由は、「債権者平等の原則」に反するからです。

債権者平等の原則とは、手続きの中で債権者を平等に扱いましょうねという決まりです。

ここでいう平等とは、債権者の債権額に応じて案分して返済しようねということです。

 

債権者平等の原則についての簡単な例

 

簡単な例を挙げると、たとえば、債務者に、A社400万円、B社300万円、C社300万円の合計1000万円の借金があるとします。

債務者に100万円の現金があるとすると、これを、4:3:3の割合で返済しましょうということになります。

したがって、A社には40万円、B社には30万円、C社には30万円を返済することになります。

ここで例えば、仲の良いA社に80万円を返済し、B社とC社には10万円ずつ返済しようとすることは、偏頗弁済にあたるということになります。

 

個人再生手続と偏頗弁済の関係

まず、ざっくりいうと、企業の再生を念頭に置いた通常再生という手続では、偏頗弁済は債権者平等の原則を破る行為として、否認権の対象となり許されません。

しかし、個人再生手続は、個人である債務者について、できるだけ簡単で迅速に再生を図る道を用意している手続であるため、否認権に関する規定の適用がありません。

その代わり、この後見るように、偏頗弁済をしてしまうと、返済する額との関係で、大きく問題になる可能性があるのです。

 

さらにもう一歩解説!

否認権を上の偏頗弁済の例で簡単に説明すると、手続き上仲の良いA社への80万円の返済が取消されてしまうことをいいます。

 

偏頗弁済をしてしまった場合にどうなるか

下で詳しく説明しますが、個人再生をする際に、偏頗弁済をしてしまうと、

その偏頗弁済をしてしまった分を返済額に上乗せして、再生計画で支払っていく必要が出てしまう場合があります。

この考え方を理解するために、この後、個人再生手続で実際に返済する額がどのように決まるのか、解説をしていきます。

 

個人再生における返済額の考え方

まず、個人再生という手続は、原則として、今ある債務額を5分の1に圧縮して、この圧縮した額を原則3年間(最長5年間)かけて分割返済していくという手続です。

今ある債務額と圧縮される額は、下の表のような関係になります。

借金額 最低弁済額
100万円未満全額
100万円以上~500万円未満100万円
500万円以上~1500万円未満負債総額の1/5
1500万円以上~3000万円未満300万円
3000万円以上~5000万円以下負債総額の1/10
※ 個人再生は、借金総額が5000万円を超える場合は認められない。

 

清算価値保障原則とは

上で説明したように、原則は、5分の1に圧縮した額を支払っていけばいいのですが、

もう一つ返済額を決めるうえでの大事な決まりがあります。これが、清算価値保障原則です。

清算価値保障原則とは、再生計画の弁済率が破産した場合の配当率以上でなければならないという原則のことをいいます。

 

清算価値とは

清算価値とは、ご自身の資産をお金に換えた場合の価値です。

破産手続では、このお金を債権者に配当する必要があり、残債務は免責されます。

個人再生のように分割で返済するということは行われません。

そこで、自己破産ではなく、個人再生を選ぶのであれば、せめて自己破産の場合よりは返済してくださいねということになるわけです。

 

天秤をイメージして、どちらか重いほうを払わなくてはならない

天秤

では、(小規模)個人再生手続では、いったいいくらを払うことになるのかについて説明します。

上で説明をまとめると、まず天秤をイメージしてください。

そして、右のお皿には、ご自身の債務を圧縮した金額を乗せてください。

左のお皿には、ご自身の資産の額を乗せてください。

小規模個人再生では、最終的に、このどちらか重い方のお皿の額を原則3年間(最長5年間)かけて分割返済していくということになります。

 

偏頗弁済した金額は清算価値に加算されてしまう

偏頗弁済をすると、その弁済してしまった金額分が清算価値に加算されます。

なぜかというと、偏頗弁済をしなければ、その弁済額分はご自身の資産(お金)として手元に残っていたはずだからです。

そうすると、偏頗弁済分の金額が、天秤の清算価値の方のお皿に乗ります。

このお皿の金額が、圧縮した債務額のお皿の金額よりも大きくなれば、今回の個人再生で支払う額は、清算価値の方のお皿の金額ということになるのです。

 

偏頗弁済を申告しないと、手続が認められない可能性もあります

偏頗弁済をしたにもかかわらず、これを申告せずに再生計画案を作成・提出し、その後に偏頗弁済が発覚した場合、

再生計画案を決議にかけることができなくなったり、再生計画案の不認可事由になってしまい、手続が認められないことにもなります。

 

偏頗弁済をした場合の対処法

ここまで見てきたように、偏頗弁済を行うと返済額が上がってしまう可能性など、再生手続上の影響が出てきます。

弁護士に依頼する時点で、すでに偏頗弁済をしていた場合には、弁護士に正直に申告しましょう。

そして、以降、絶対に偏頗弁済は行わないようにしましょう。

 

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いかがでしたでしょうか。
個人再生手続と偏頗弁済の関係などをご理解いただけたのではないでしょうか。
この記事をお読みいただき、ご自身にとって最適な手続きは何なのかということを考えるお役に立てれば幸いです。