個人事業主とサラリーマンの破産の違いは?基本的な流れを解説!

今はサラリーマンでも会社設立した経営者でもなく,イチ個人事業主だが今後の資金繰りの目途もこの先全く立たず,もう破産するしかないかな・・・。
自己破産ということばを良く聞くが,個人事業主の場合はサラリーマン(非事業者)が行う自己破産の手続きと同じで良いのか,それとも他に別な手続きがあるのか不安である・・・
このようなお悩みを抱えている方は思いのほか多く,今後も増えていくことが予想されます。
そこで、個人事業主の方が行う破産の流れや手続きを判り易く解説します!
この記事を読み終えたらきっと,逡巡しないで前に進もうという気持ちになれるでしょう。

個人事業主の破産はサラリーマン(非事業者)の破産に加えて特別な手続きが必要

個人事業主の破産は著しく違うというわけではないが,サラリーマン(非事業者)の破産と手続きが異なります。
破産は「個人」と「法人」の2種類があるが,個人事業主は「個人」だけでなく一部「法人」破産の領域に入ります。
但し,個人と個人事業主の破産手続の流れが著しく違うかというとそうではありません。個人事業主の場合,事業者として取引先との契約関係があったり,事業用の財産があったりするため,具体体な手続きや進め方は個人の方との違いが出てきます。

サラリーマン(非事業者)と個人事業主の破産の違い

それでは,個人事業主の場合はどこに違いがあるかもう少し詳しく記述します。 
【サラリーマン(非事業者)が破産する場合】
自己破産は,借金(債務)が免責される代わりに破産者(債務者)が所有している財産は,破産管財人によって処分されてしまいます。
ここでのポイントは,基本的には財産は何も残らなくなるのが前提ですが,個人破産の場合は処分しなくてもよい財産が認められています。この財産は自由財産※と言います。
なお,個人事業主も最低限の生活保障のための自由財産の保持は適用されます。
※自由財産 個人の破産者は全ての財産を没収されてしまうと,破産手続き開始決定後に生活をしていくことが難しくなってしまいます。そうなると、経済的な更生を図ることができなくなってしいます。そこで,法律上で一定の財産は処分されないものとされています。

※自由財産:主な一定の財産とは

現金99万円までの現金
新得財産破産開始決定後に得た財産。代表例としては,労働対価として得た給与
破産管財人が破産財団から放棄した財産土地・建物など,価値が全くつかず買い手を見つけることが困難な不動産や,時価を上回る債権額の抵当権が設定されている不動産(オーバーローン)等が該当します。しかし,抵当権実行によって破産者の自由にはできません。
差押えが禁止された財産生活に欠くことができない衣服・寝具・家具・台所用具や一月間の生活に必要な食料及び燃料等,その他では退職金(制限あり)や生活保護や年金を受け取る権利等が該当します。
自由財産拡張が認められた財産破産者の生活状況や収入を鑑み裁判所が決定します。東京地方裁判所では、20万円以下の評価額である預貯金・生命保険解約返戻金・自動車・敷金・保証金返還請求権・電話加入権・退職金債権などが認められています。但し,財産の総額が99万円の範囲内であれば比較的緩やかに自由財産拡張が認められますが,財産の種類や個別事情によっては認められない場合もあります。

【個人事業主が破産する場合】
基本的にはサラリーマンの破産と同じ流れになります。但し,サラリーマンの破産とは大きな違いもあり,一部法人破産とも違いもあります。
*個人事業主の場合は事業者として取引先との契約関係があったり,事業用の財産があったりするため,個人破産で はなく,法人破産の領域にも入ります。
*法人格はないため,買掛金や従業員がいれば未払い給料・税金など,全ての支払い義務が個人事業主には残ってし まいます(このため,裁判所から免責許可を受ける必要が出てきます)。
*上記の未払い給与は非免責債権となります。雇用主が法人の場合,法人破産するとその法人は消滅してしまうた め,免責・非免責の問題にはなりません。※破産法253条1項5号
*同じく,税金の支払い義務も残るので,法人破産とは大きく異なるところです。税金

個人事業主の破産時に処分する財産とは何か

サラリーマン(非事業者)の破産同様に,個人事業主の場合も個人が生活する最低限の財産保有は認められると自由財産で説明いたしました。反面,破産時に処分しなければならない財産は売掛金の回収や設備投資した機器等,在庫などの事業用の資産・財産となり,これらは自由財産に原則該当しません。

※処分しなければならない事業用資産の一例

  • 機械・設備・什器
  • パソコン・OA機器
  • 工作・工具類
  • 商品在庫・原材料
  • 自動車・バイク・トラック等運搬車両
  • 店舗・倉庫・工場などの所有不動産
  • 売掛金・貸付金
  • 事業保証金・営業保証金
  • 事業用の保険
  • 店舗・倉庫・工場などの賃借不動産の敷金
  • 有価証券
  • 出資金

破産手続においては,一定額の資産を超える分は適切に換価し,債権者に配当することが求められます。債権者に適正な管理及び処分をする権利を有する者として,破産管財人が選定されます。そして,免責許可決定が出ると,個人事業主は借金の返済義務を免れます(ただし,従業員の給与や税金など,法律で非免責と定められている負債は除きます)。

破産手続きの費用と流れ

破産については裁判所に申立てすることにより,持っている財産を手放した上で,借金を全て免除してもらう手続きを取るというのは先述のとおりです。手放した財産は現金化され,債権者に配分されます。そして,ここでは実際にかかる費用と手続きの流れについて解説します。

費用について

個人事業主の費用に関してですが,依頼した弁護士に収める費用と破産管財人費用として裁判所に納める費用の合算となります。
弁護士法人 法律事務所MIRAIOの費用になりますが概ね以下の費用がかかります。
(少額管財事件を前提とした費用になります)
=2020年8月1日現在=

項目金額備考
弁護士報酬390,000円 (外税)
裁判費用+事務手数料25,000円
管財人費用+事務手数料201,000円~管財人費用+事務手数料として、東京地方裁判所申立の場合は201,000円が必要となります。また、管財人費用は、東京地方裁判所を含め裁判所や事案によって異なります。
弁護士の出張旅費及び交通費等実費弁護士が遠方へ出張する場合に、弊所規定の出張旅費・交通費を別途申し受けます。
弁護士出張時の日当実費弁護士が遠方へ出張する場合に、裁判所の所在地に応じて、弁護士の日当3万円又は5万円(外税)を別途申し受けます。

破産手続の具体的な流れについて

手続きについてですが大きく分けて,「同時廃止」「通常管財事件」「少額管財事件」の3つのどれかが手続きの対象となります。裁判所

同時廃止

同時廃止とは,一定の基準以上の財産がなく,債権者に分配する原資(お金や換金できる財産のこと)がない場合の破産手続きになります。
財産額は20万円未満が条件となり,申し立てとともに、「廃止」といって破産手続きが終わります。同時廃止では破産管財人が選任されることがなく,住居の制限や郵便物の検査などの不利益がありません。個人の自己破産が対象となります。
法人と個人事業主の場合は原則として同時廃止にはなりませんが,極めて小規模な個人事業主に限り適用される場合もあります。
なお,財産を隠して同時廃止を求めると刑罰を受けることがありますし,原則として免責の許可も得られません。また,借入れ理由についても,浪費やギャンブルなどを隠すなど虚偽の申告を行った場合には,原則として免責の許可は得られません。

法律事務所MIRAIOホームページ参照)

同時廃止の流れ

通常管財事件

破産手続きでは,裁判所が破産管財人を選任する通常管財事件が原則となります(ただし,実際には少額管財手続きの利用が多数です)。
破産管財人は,債権者の代表として,また裁判官に代わって,破産する人の一定の財産をお金に換えたり,負債原因や免責が相当かなどの調査を行ったりします。破産管財人は弁護士から選任されることがほとんどで,その弁護士への報酬に充てられる予納金は,東京地方裁判所では50万円となります。
管財事件の条件としては,以下のいずれかに該当するものとなります。
・一定以上の財産がある
・法人の代表者や個人事業主であること
・債務額が500万円程度を超えている
・免責不許可事由があるか調査の必要性がある

少額管財事件の説明

手続きの流れ自体は通常管財事件と同じになります。
同時廃止との違いは,破産管財人の報酬が必要となり,この報酬は予納金といわれるものです。
東京地方裁判所では少額管財事件の予納金は20万円となり,通常管財事件の予納金より安くなっております。
通常管財事件で行われる裁判所の調査の一部を債務者が依頼した弁護士に行ってもらい,裁判所に納める予納金を低く抑える破産手続きで,予納金が高いことがネックになって破産手続きが使えない債務者を救済する目的があります。しかし,破産する方の中には,予納金を準備することが難しい方がいます。そこで,財産がなく,かつ破産管財人による免責が相当かの調査も不要な案件(提出した資料から調査の必要がないほど問題のないことが明らかな案件)については,例外的ですが同時廃止の手続きを利用できることがあります。同時廃止となれば,予納金はかかりません。

法律事務所MIRAIOホームページ参照)

管財事件のながれ

個人事業主の破産後の事業継続は通常行えない

破産後に事業を継続していくことですが,現実的には厳しいと言わざるを得ません。
破産すると事業継続が出来ないとする法律上の条文はないので,継続可能とも取ることができますが,管財事件として資産の大半を手放し,債権者の返済に充てられますので,手元には自由財産として残されたものしかありません。もし,この自由財産だけで事業継続ができれば,自己破産をした後でも,個人事業・自営業を継続することができますが,自由財産は最低限の生活をしていく上で欠かすことのできない財産が主たる対象であるため,結果的には厳しいものとなります。

(事業継続が難しい3つの理由)
・個人信用情報機関
破産したら個人信用情報機関,所謂ブラックリストに掲載され,その期間は510年です。その間はクレジットカードの審査がおりなくなり,住宅ローンや自動車ローンが組めなくなります。同じく,既存のクレジットカードやキャッシングのカードも使えなくなります。

・信用低下
取引先は勿論,個人事業主として雇っていた従業員や提携先などは「事業を破産させた張本人」と当然レッテルを貼られてしまい,同じ事業を継続するやりづらさが表面化することが想像できます。

・事業運営資金がない
自由財産として最低限の生活をしていく資金は残っても,事業に投資する資金はなく借入もできません。今まで築いてきた技術やノウハウも事業者として活かす道は厳しいと言わざるを得ません。

個人事業主の破産に強い法律事務所,弁護士をお探しの方へ

破産は,資料収集,裁判所に提出する書類の作成,債権者の対応などなど,専門知識がないと難しいものがあります。基本的には,破産を検討する場合は,まずは弁護士に相談をしましょう。
そして,弁護士をお探しの場合は,法律事務所MIRAIOにぜひご相談ください。

分析中

なぜ弁護士に相談するのか-本人対応は困難

個人事業主の破産を考えたとき,従業員がいたり,事業用資産として在庫や不動産,売掛金があったり,買掛金があったりする場合,どのように手続きを進めていくべきか,お分かりになるでしょうか?
破産手続きを進めていくには,専門知識が必要です。また,書籍には書かれていない,実際の裁判所の運用等にも精通しているなど,経験も必要となります。ご本人様だけで手続きを進めていくのは,無理だと言っても良いくらいです。
実際,「2017年破産事件及び個人再生事件記録調査(日本弁護士連合会/消費者問題対策委員会)」によると,個人破産で専門家の関与なく本人で破産申立てをした割合は,1.29%でした。個人の破産ですらわずか1.29%です。これはサラリーマン(非事業者)を含む数字ですから,個人事業主の本人申立ての割合は極めて低くなると推測できます。
破産をご検討されたら,まずは弁護士に相談されることを強くお勧めします。
いわゆる士業の中でも,作成することができる書類に法律上の制限があります。基本的に,裁判所に提出する書類は,弁護士と司法書士にしか作成が許されていません。弁護士であれば,一切の法律上の制限なく,裁判所に提出する書類の作成ができるのです。
また,士業の中でも,裁判所手続き(裁判官との面接など)への同席,破産管財人との面接(負債原因などの質問を受けます)への同席ができるのは,弁護士だけです。司法書士に破産の申立て書類の作成を依頼した場合,これらの手続きには,本人1人だけで臨む必要があります。
弁護士であれば,同席して,必要に応じて本人に代わって回答することもできます。
弁護士が依頼を受けた場合,各債権者に受任通知を送り,経営者本人には一切の直接の連絡をしないように要請をします。これにより,本人への直接の取立てをとめることもできます。

MIRAIOが選ばれる理由

法律事務所MIRAIOでは,長年,個人事業主の破産も含め多くの債務整理案件を手掛けてきました。MIRAIOが皆さまから選んでいただいている理由をご紹介します。

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個人事業主の破産に関する法律相談は,事案の内容を確認するだけでも長くかかることが多いです。このため,相談だけでも30分5000円から1万円ほどの有料相談となっていることも多いようです。
しかし,破産するかどうか迷っている方は,これでは気軽に相談することもできません。
そこで,MIRAIOでは,初回の法律相談を無料で承っております。
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実際にご相談をお聞きする方法は状況にもよりますが,基本的にはまずはお電話でお話しさせていただき,必要に応じて書類をご持参していただいてのご来所を案内しております。

実績豊富 相談実績39万件以上

懇切丁寧な対応にご好評をいただき,法律相談の実績は39万件以上となりました。
また,会社の破産については,実際に裁判所に破産申立てをした案件だけでも400件以上あり,かなりのノウハウの蓄積がございます。
破産以外の解決方法の実績も多数あり,ご状況をお伺いして,破産以外の解決方法もご提案できるかもしれません。
実績のあるMIRAIOに,ぜひご相談ください。

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※令和2年3月から同年7月までの集計
※債務整理,B型肝炎給付金訴訟のご依頼時アンケートより