企業再生を目指すには?分析方法と3つの再生手法を弁護士が解説!

企業再生

2020年1月頃から新型コロナウィルス感染症拡大というニュースが流れはじめ、既に1年以上が経過しました。1年経過した2021年2月現在、未だ収束の兆しが見えず、経営破綻する企業が急増しています。更に「企業再生」ということばも見聞きする機会が増えております。企業再生とは、会社が債務超過に陥っている、または実質的な破綻状態にある際、様々な方策を講じ会社(法人)を再建させることを意味します。本来でしたら2020年は東京オリンピックで世界中が盛り上がり、日本国内においては海外からの来訪者が増え、観光立国としても世界有数の国になっていた可能性があります。ところが一転、先に述べたとおり、東京商工リサーチの記事によると、2020年2月から10月12日までに「新型コロナウィルス」関連破綻(負債1,000万円以上)は、581件だそうです。出典:東京商工リサーチ

この記事を読んだ時には、国内の経済動向がどうなっているか不透明ではあります。2021年2月15日には、日経平均株価の終値がバブル経済期の1990年8月2日以来、実に約30年半ぶりに3万円の大台に乗せました。しかし、株価と実態経済はかけ離れており、経営状況は依然として厳しいままの企業が多いのが実態です。倒産や破産に陥る前に、自社で行うべきことと企業再生の3つの方法を解説します。

企業再生を目指すために自社で行うべきこと

企業再生においては何れにせよ専門家に依頼するのが最良の選択であると言えます。とはいえ、先ずは自社がどういった経営状況かを分析し、把握することから始めましょう。実際には以下に記述する実行だけでは、債務超過や実質的な破綻状態からの脱却は相当困難です。しかし、自社のことは誰よりも経営者自身が良く知っているはずですので、問題や課題の把握と解決するために何が必要かを把握しましょう。リスク

資金繰りの把握

中小企業経営者の方々一番の悩みは、日々の資金繰りではないでしょうか。もし将来、資金ショートを起こすとその時点でたちまち事業運営が立ち行かなくなり、倒産ということも考えなくてはなりません。赤字経営でも資金繰りが続けば事業運営の継続は可能です。日本政策金融公庫では中小企業事業者向けに、経営計画策定に役立つ各種資料として資金繰り表の作成フォームや作成方法が記載されていますので参考にしてみましょう。

キャッシュフローの改善

キャッシュフローとは財務諸表に用いられるキャッシュフロー計算書のことであると考えてください。営業活動・投資活動・財務活動の三要素から構成され、年次や四半期、月次などで企業の会計状況を把握します。ということは、過去の経営経営活動の資金の流れを把握することになるので、資金ショートを起こさないための目的で将来の改善策を講じることができます。キャッシュフローを悪化させない、改善することで資金繰りを円滑に回すことが実現できます。キャッシュフロー計算書で資金の流れを把握することで、様々なケースの将来予測をすることが出来ます。キャッシュフロー

企業再構築の実施

企業再構築というと何の意味だか判りづらいが、英訳するとリストラクチャリング(リストラ)のことを指し、誰もが聞いた言葉になります。リストラというと、人員の削減や人件費の削減といったイメージが頭に浮かびますが、本来的な意味は企業構造を再構築し、経営を変革させていくことをいいます。具体的には、経費の見直しや不採算部門縮小・撤退、事業所の統廃合などを実施し、高収益な事業や成長分野に資源を集中することで構造転換を図ることです。そして、従業員へ判りやすく説明するには、「売上を上げること」「経費を下げること」の2点のみで、実現できれば利益が確保できる(実現できないと厳しい)といったコスト意識の醸成も大変重要です。

経費の見直し

先ずは全社で経費削減を実施してみましょう。人件費はそう簡単には削減できませんが、その他は重複や無駄遣いを止めることで結構な額になりますので勘定科目をベースに削減を検討してみてください。

・コピー・印刷など無尽蔵にせず、ペーペーレス化など消耗品費
・電話プランの見直しなどを実施する通信費
・タクシー乗車を極力しないなど移動交通費
・無駄なスペースの一部返却など賃料
・残業時間削減により早朝深夜に電気を使わない水道光熱費

その他、会社にもよりますが当たり前と思っていたことが案外無駄遣いだったりしますので、先ずは経費削減を実施し業務の効率化も図ってみましょう。スリム化

不採算部門の縮小・撤退

行っている事業が不採算部門か否か、また縮小や撤退すべきかどうかという判断をするため、適正な判断基準を考える必要があります。端的には、その事業に伴う固定費を、※粗利で賄えるか、ということになります。(粗利は、損益計算書における「売上総利益」にあたるものです。)
企業によっては様々な商材を取り扱っているところも多いと思いますが、そもそも粗利売上総利益が出ていないと、経営計画自体を見直すべきです。
・材料費の見直しや製造原価を下げることが可能か検証し売上原価を下げる
・商材の価値を上げるため商品そのものに付加価値をつけて値上げする
このどちらかが可能で、固定費を粗利で賄うことができれば良いが難しければ早めの縮小や撤退を視野に検討しましょう。

各種補助金・助成金の申請

現状のコロナ禍で企業も想定とは全く違った大打撃を受けており、コロナ関連の補助金や助成金といった各種支援が活発化しております。ここでは、経済産業省の【事業再構築補助金】をご紹介いたします。新分野展開や業態転換、事業・業種転換等の取組、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等を目指す、以下の3つの要件をすべて満たす企業・団体等の新たな挑戦を支援します。
1.申請前の直近6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している中小企業等。
2.事業計画を認定支援機関や金融機関と策定し、一体となって事業再構築に取り組む中小企業等。
3.補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0)以上増加の達成。企業規模や実施内容にもよりますが補助金は100万円~1億円と広く設定されております。

専門家に企業再生を依頼する際の主な3つの手法

企業再生を行うには外部の専門家へ依頼するのが最良の選択です。但し、先に述べたように、自社の企業分析が客観的に出来ていることが、外部との相談・話し合いが早くなる近道です。私的整理・法的整理の何れも弁護士が関与し支援するケースが多いので、この章では事業再生ADR・会社更生法・民事再生法の3つの手法を解説します。

【再生手法の分類】企業再生

事業再生ADR

事業再生ADRや再生支援協議会は、準則型私的整理手続きとも言われており、第三者機関である事業再生実務家協会や商工会議所に設置された、中小企業再生支援協議会が公正中立な立場で私的整理手続を実施します。事業再生ADRのADRとは、「裁判外紛争解決手続(Alternative Dispute Resolution)」の略で、訴訟などの裁判所の手続きによらずに、当事者同士の話し合いによって紛争を解決するための手続きのことです。事業再生ADRとは、借入金の返済に困った企業の問題を解決することに特化した制度で、2007年に導入されました。 法務大臣の認証を受けた「認証紛争解決事業者」のうち、経済産業大臣の認定を受けた「特定認証紛争解決事業者」が、中立的な第三者機関として手続きを進めていきます。現状では、「事業再生実務家協会」が唯一の機関となっています。但し、事業再生実務家協会は、あくまでも中立的な第三者機関として関与するにとどまります。債務者企業の側に立って、事業再生計画案の作成などのサポートをお望みの場合には、別途弁護士または税理士にご相談、ご依頼されることをお勧めします。

【事業再生ADRの流れ】事業再生ADR

【再生手法の分類】にあるもう一つの、「中小企業再生支援協議会」は各都道府県の商工会議所等に設置されており、企業再生について各種専門家(金融機関出身者や中小企業診断士、税理士等)が企業からの相談に対応してくれます。なお、事業再生ADRについては、法律サプリのハイブリッド再生!事業再生ADRの5つのメリットと支援措置に判りやすい記事が掲載されていますのでご参照ください。

民事再生

民事再生とは、経済的に窮境にある債務者について、事業または経済生活の再生を目的とする法的整理になります。裁判所が関与する再建のための手続で、民事再生は原則として会社の経営陣が交代せずに通常営業を継続しながら、主体的に経営再建に取り組むことができる手続きです。手続き中は、債務返済が禁止され、債権者による個別的な債権回収も禁止されます。ただし、営業上の取引先への支払などは許可されたり、担保権実行や税金強制徴収は許されたりするなどの例外があるので、注意が必要です。そして、債務者自らが経営再建計画を作成したりするところにも特徴があり、再生計画については、債権者の同意と裁判所の認可が必要となります。以上のように、民事再生は債務者自身が手続きを主体的に進めていくことや裁判所との複雑な対応を要求されることから手続きの手間などの負担も大きなものがありますので、弁護士ご相談、ご依頼されるのがよいでしょう。民事再生についても法律サプリ内の民事再生で主体的な経営再建!破産や会社更生との違も簡単解説の記事に手続きの流れなどが掲載されている記事がありますのでご参照ください。

会社更生

会社更生法に基づく裁判手続きで、先行き経営状況が厳しく経済的に行き詰った株式会社について、債権者・株主・従業員等のステークホルダー(利害関係者)との調整をしつつ、事業継続を行い、会社の債権を図る手続です。民事再生との違いは、裁判所の選任した更生管財人の主導の下、手続きが厳格で、かなりの時間とコストがかかります。会社更生手続きは、株式会社のみが利用できる手続きであり、民事再生手続きの中の特別手続に当たります。なお、更生管財人が事業の経営を行い、会社債権者等の利害関係者の多数の同意の下に更生計画を策定し、裁判所の認可を受けた更生計画を遂行します。以上のように、会社更生とは、株式会社を対象とした法的な倒産手続きのひとつですが、事業と財産を維持したまま経営再建することが可能です。そして、多くの場合、経営陣と株主が一新されることになりますので、何れにしても専門的な知識と経験が求められる手続きです。なお、法律サプリの記事に会社更生をするとどうなる?その特徴と民事再生との違いを解説がありますが、民事再生との違いも解説されておりますので比較検討としてご参照ください。

企業再生を検討する際はMIRAIOへ

冒頭にも記述しましたが、20202月から1012日までに「新型コロナウィルス」関連破綻(負債1,000万円以上)は、インバウンド事業を中心に581件となっております。【出典:東京商工リサーチ】。この記事を執筆した20211月時点では、1年延期となった東京オリンピックは、この夏に無事開催されるのか?または再び延期等になるのか?全く予測のつかない先行きになっております。そんなときだからこそ不測の事態に備え、企業再生に対応できるよう、資金繰りの把握やキャッシュフローの改善、経費の見直しをはじめとする企業再構築の実施を行ってみたら如何でしょうか。

そして、「この大変な時代をどう乗り切るか」という経営問題な様々なお悩みがあれば、先ずは弁護士法人 法律事務所MIRAIOに相談されては如何でしょうか?

経営全般のご相談・事業再生・企業再生・各種助成金の申請など、MIRAIOがそのお悩みを解決します。相談は無料です。お電話またはメールでのご相談をお待ちしております!MIRAIOロゴ