【弁護士解説】交通事故で遅延損害金の請求方法と計算方法や適用利率

遅延損害金
口を尖らせた男性

交通事故に遭ってからもうすぐ2年になる。
弁護士に依頼して交渉してもらっているが、ここまで解決に時間がかかっているのであれば、遅延損害金というのを支払ってもらえないのだろうか。

遅延損害金とは、債務者が債務の支払い・履行を遅滞した場合に支払わないといけない賠償金のことをいいます。もっとも、遅延損害金はどのような場合にも支払ってもらえるわけではなく、請求する方法や、計算方法・利率も含めて細かくルールが決まっています。

この記事では

・遅延損害金の請求方法
・遅延損害金の起算日
・遅延損害金の計算方法
・遅延損害金の適用利率

について解説しています。

この記事を読んでいただければ、交通事故の遅延損害金の請求方法や計算方法を理解できるでしょう。

遅延損害金とは?

時間遅延損害金とは、加害者が損害の賠償をするのが遅れたことに対する損害賠償金のことです。
借金をした場合の利息のようなものです。
支払が遅れれば遅れるだけ、この遅延損害金は膨れ上がっていきます。

遅延損害金の起算日は事故当日

交通事故の損害賠償のような不法行為に基づく損害賠償請求権は、発生と同時に遅滞に陥ります。したがって、交通事故の損害については、事故日から遅滞に陥ることになり、遅延損害金も事故日から計算することになります。
例えば、治療費や通院交通費などは、事故翌日以降の通院分は事故日に発生・請求できるものではないですが、事故から発生する損害賠償金は全て事故日に請求できる・遅滞になったとして、事故日から遅延損害金を計算することになります。

遅延損害金を請求するには訴訟を提起するしかない

弁護士遅延損害金は加害者に請求できるものですが、どのような解決方法でも請求ができるわけではありません。
遅延損害金を請求して支払ってもらうためには、通常は訴訟を提起して請求していく必要があります。

請求方法遅延損害金
訴訟認められる
ADR認められない
示談交渉認められない

交通事故の場合には、加害者側に保険会社がついており、保険会社と示談をすることによって解決することが多いですが、示談で終了する場合には、遅延損害金が付加されることはまずありません。こちらから遅延損害金の請求をしたとしても、保険会社はまず遅延損害金を付加した示談をしてくれないでしょう。
また、ADRのような手続きも、和解のあっせん手続きになり、示談交渉の延長のようなものなので、遅延損害金が加味されることは通常ありません。
したがって、相手方に対して遅延損害金を請求するためには、訴訟を提起するほかありません。

訴訟上の和解で解決する場合

上記のように、遅延損害金を請求するためには裁判所に訴訟を提起する必要があります。
ただ、訴訟を提起したとしても常に「判決」で解決するわけではなく、裁判所で「裁判上の和解」で解決するケースも多いです。
その場合には「遅延損害金を支払え」という形で和解が成立することはなく、「調整金」という名目で弁護士費用や遅延損害金が考慮されることになります。

遅延損害金の利率は、事故日が令和2年4月1日以降かどうかによって異なる

交通事故遅延損害金は事故日から発生しますが、その利率は民法によって定められており、事故日が令和2年4月1日より前かどうかによって変わってきます。
従前の民法では、遅延損害金の利率は年5%とされていたのに対し、令和2年4月1日に施行された改正民法においては、遅延損害金の利率は原則として年3%(3年ごとに見直しがされます)とされています。
したがって、事故日によって、遅延損害金の利率は変わってきます。

遅延損害金の計算方法

計算遅延損害金は以下の計算式によって計算します。

請求元本×法定利率÷365×遅滞日数

なお、訴状においては具体的な遅延損害金の計算をせずに、請求の趣旨において「●年●月●日から支払済みまで年●分の割合による金員を支払え」と記載します。

自賠責保険から保険金を受け取っている場合の充当方法

自賠責保険から保険金が支払われている場合には、損害賠償債務元本に相当する損害が補填されることになりますが、その補填される損害元本について自賠責保険金支払い日までの遅延損害金の請求を制限される理由がない、と最高裁は判事しております。
つまり、自賠責保険金を受け取っている場合には、自賠責保険金を控除しない損害元本を計算し、自賠責保険金受取日までの遅延損害金を計算し、自賠責保険金を遅延損害金→請求元本の順で充当し、残りの請求元本について自賠責保険金の受取日翌日から遅延損害金を請求する、という処理を行うことになります。

計算例
請求元本:300万円
自賠責保険金:75万円
自賠責保険金受取日:事故から1年後 
⇒ 300万円×3%=9万円(自賠責保険金受取日までの遅延損害金)
  300万円+9万円-75万円=234万円(自賠責保険金受取後の請求元本)

交通事故の相談なら法律事務所MIRAIOへ

相談を受ける弁護士交通事故の被害者になってしまった場合は、どのような賠償請求ができるのか、その金額はどれくらいになるのかなど、専門的な知識が求められます。

また、初期対応を間違えてしまうと、後々取り返しのつかない不利益が生じてしまうこともありますので、なるべく早い段階で弁護士に相談されることをお勧めします。

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交通事故の慰謝料請求を弁護士に依頼するメリット

弁護士に依頼することで、次のようなメリットがあります。

損害額の算出、専門的書類の作成をしてもらえる

交通事故の損害賠償を請求するには、交通事故の調査、損害額の算出、内容証明郵便の作成、示談書の作成、訴状の作成など、専門的な知識と経験が求められる作業がいくつもあります。
このような時間と手間のかかる作業を弁護士に一任することで、治療に専念することができます。

示談や訴訟の代理人になってもらえる

加害者や保険会社との示談交渉や訴訟の代理人になってもらうことができますので、ご自身で直接相手方と話す必要がありません。
この点において、精神的な負担も軽減することが可能です。

より高額の示談金を受け取ることが出来る可能性がある

弁護士に依頼した場合、損害額は弁護士会の基準で算出します。この弁護士会の基準というのは、過去の判例(裁判所の判決内容)を参考に基準額を算定したもので、自賠責保険や任意保険会社の基準よりも高額となっています。
例えば、後遺障害等級第1級の慰謝料は、自賠責保険基準だと上限1650万円ですが、弁護士会基準で算出すると上限2800万となり、実に1150万円もの差があります。

なお、慰謝料については、次の記事もご参照ください。

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 2023.03.14

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法律事務所MIRAIOが選ばれる理由

交通事故被害について弁護士に相談されるなら、まずは、法律事務所MIRAIOでご相談ください。MIRAIOには次のような強みがあります。

相談実績14000件以上

MIRAIOは創業以来、20年以上にわたり交通事故被害の解決に力を入れてきました。実にその相談件数は14000件以上に上っています。

医学的知見が豊富

MIRAIOは、医療過誤(医療ミス)やB型肝炎訴訟にも力を入れていますので、医師との協力関係もあり、医学的な知見を豊富に持ち合わせています。
特に、後遺障害がどの等級で認定されるかについては、示談金の金額に大きく影響します。例えば、弁護士会基準による第2級の慰謝料は2370万円ですが、これが第1級に上がると2800万円となり、実に430万円もの増額が可能なのです。
そして、この認定を左右するのが医師の診断書です。MIRAIOであれば、医学的知見を駆使して、より高い後遺障害等級の認定が得られやすい診断書についてのアドバイスをすることが可能です。

損害保険会社の代理人経験も!経験豊富な弁護士が多数在籍

MIRAIOには、交通事故被害に関する経験が豊富な弁護士が多数在籍しています。中には、大手損害保険会社の代理人経験のある弁護士もおります。
示談金がいくらになるかについては、保険会社との交渉次第ですので、相手側の事情に通じていればその分交渉が有利となり、より多くの示談金をえるための効果的な戦略を立てることができます。

初回相談料・着手金無料!

MIRAIOでは交通事故の示談交渉の初回相談料・着手金は無料です。安心してご相談ください。
※ただし、弁護士費用特約付きの保険に加入されている場合は、保険会社の補償の範囲内で相談料や着手金をいただく場合があります。

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法律事務所MIRAIOでの解決事例

法律事務所MIRAIOでの、実際の解決事例をいくつかご紹介します。 

※あくまでも一例ですので、すべての事件において同じような示談金を獲得できるとは限りません。

賠償額が1000万円以上アップ!

事故の瞬間1被害者 30代 男性 会社員
事故の概要 バイクで交差点を直進中に、右折してきた自動車と衝突した。
過失割合 被害者15%
後遺障害等級 12級
保険会社の提示金額 約500万円
最終的な示談金額 約1500万円

最初に保険会社が提示してきた金額の中で、特に問題があったのが後遺障害による「逸失利益(事故がなければ得ることができたであろう将来の給与・収入など)」の額でした。
保険会社が計算した逸失利益は、約300万円でしたが、これは一般的な計算基準から見ても明らかに少なすぎる金額でしたので、MIRAIOは正当な方法で計算しなおして、約1300万円と算出しました。
さらに、慰謝料についても増額し、最終的には1500万円余りの示談金を獲得しました。

まさかの提示額10万円からの大逆転!示談金900万円を獲得!

事故の瞬間2被害者 40代 女性 アルバイト
事故の概要 自転車で横断歩道を走行中に、左折してきた自動車に衝突された。
過失割合 被害者10%
後遺障害等級 12級
保険会社の提示金額 10万円
最終的な示談金額 約900万円

最終的に後遺障害とまで認定される大怪我を負ったにもかかわらず、保険会社からの当初の提示額はたったの10万円でした。
MIRAIOは、保険会社が審査すらしていなかった後遺障害の認定を得ることに成功し、それに伴い、後遺障害の慰謝料として290万円逸失利益として約560万円を獲得しました。さらに、怪我の慰謝料や休業損害の増額にも成功し、最終的には約900万円の示談金を獲得しました。

保険会社から目を疑うような示談金を提示され、もっともらしい説明を受けたとしても、簡単には同意しないでください。納得できないところがあれば、示談書にサインする前にMIRAIOにご相談ください。

過失割合も減額して約1200万円アップ!
事故の瞬間3被害者 40代 男性 会社員
事故の概要 歩行中に後ろから自動車にはねられた。
過失割合 被害者45%⇒30%へ
後遺障害等級 8級
保険会社の提示金額 約800万円
最終的な示談金額 約2000万円

保険会社からは、後遺障害による逸失利益慰謝料として800万円余りを提示されました。
その後交渉を重ねることで、逸失利益慰謝料の合計2000万円余りの獲得に成功しました。
さらに、過失割合についても、当初は被害者45%の過失を主張されていましたが、事故当時の状況を細かく分析し、反論した結果、30%にまで下げることができました。
結果として、示談金は約1100万円以上も増額させることに成功しました。

過失割合も示談金に大きく影響が出ます。納得できないところがあれば、MIRAIOにご相談ください。