B型肝炎の感染経路とは?感染予防策や給付金についてもかんたん解説

パンデミック

ここでは、次の内容について説明します。

  • B型肝炎はどのような症状が出るのか?
  • B型肝炎にはどのような感染経路があるのか?
  • B型肝炎への感染を予防する方法とは?
  • B型肝炎は完治できるのか?
  • B型肝炎の感染者には、国から給付金が支給される可能性がある

B型肝炎とはどんな病気?どんな症状?

B型肝炎とは、B型肝炎ウイルスに感染することで起こる肝臓の病気です。

B型肝炎ウイルスは、肝臓に入り込んで、炎症(肝炎)を起こします。感染から数か月間の潜伏期間が続いた後に、倦怠感食欲不振発熱吐き気黄疸などの症状が現れ始めます。

慢性肝炎(肝炎が6か月以上持続すること)が続くと、肝硬変、さらには肝がん(肝細胞がん)へと進展する可能性があります。

B型肝炎の感染経路や原因とは?

ウイルスと注射器B型肝炎の感染経路には、主に母親から出生時に感染する垂直感染(母子感染)と、それ以外の水平感染があります。

B型肝炎ウイルスは、主に血液などの体液を介して感染し、感染すると肝細胞に侵入し、増殖します。

ウイルスそれ自体は肝炎を引き起こしませんが、ウイルスが人にとって異物と認識された場合には免疫機能が働き、体内から排除しようとします。
このとき免疫機能は、肝細胞の中にいるウイルスだけを狙って攻撃することができないため、肝細胞ごと攻撃します。その結果、肝細胞が破壊され、肝炎となるのです。

B型肝炎の感染経路

垂直感染(母子感染)

垂直感染(母子感染)とは、B型肝炎ウイルスに感染している母親から、出生時に血液などを介して感染することです。

乳幼児期にB型肝炎ウイルスに感染すると、免疫機能が未熟であるため、ウイルスが体外に排除されず、体内に残ってしまいます。このような状態の人のことを、無症候性キャリアと言います。

無症候性キャリアは、約10%の確率で慢性肝炎を発症し、さらに肝硬変や肝がんに進行してしまう恐れもあります。

このような事態を防ぐため、昭和61年(1986年)1月、母子感染防止事業が始まり、B型肝炎ウイルスに感染している一定の母親から生まれた子には、B型肝炎ワクチンなどが接種されるようになりました。

さらに、平成28年(2016年)4月1日以降に生まれた子には、母親が感染しているかどうかにかかわらず、B型肝炎ワクチンが定期接種されるようになりました。

なお、B型肝炎ワクチンについては、次の記事もご参照ください。

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B型肝炎の感染経路

血液感染

水平感染のひとつとして、血液感染があります。
主な血液感染には、以下の4つが挙げられます。

  1. 輸血
  2. 医療従事者の針刺し事故
  3. 予防接種での注射器の使いまわし
  4. ピアスなどの器具の消毒不徹底

輸血

B型肝炎ウイルスが含まれている血液を輸血されることにより、感染する可能性があります。

ただし、昭和47年(1972年)1月以降は、輸血用血液の検査が義務付けられ、B型肝炎ウイルスを含む血液は輸血に使用されなくなりました。そのため、現在は輸血による感染はほとんどありません。

医療従事者の針刺し事故

B型肝炎患者に使用した注射針を、誤って自分の指に刺してしまったり、B型肝炎患者の血液や体液を傷のある手指で触れたりすることによって、感染する可能性があります。

予防接種での注射器の使いまわし

幼少期の集団予防接種の際に、注射器が使いまわされることにより、子供から子供へと感染する可能性があります。

ただし、現在の予防接種では、使い捨ての注射器が使われ、接種1回ごとに取り替えられますので、集団予防接種での感染は起きていません。

ピアスなどの器具の消毒不徹底

ピアスの穴あけや入れ墨などの際、器具を適切に消毒せず、繰り返し使用した場合、感染する可能性があります。
また、カミソリや歯ブラシの共用でも感染する可能性があります。

B型肝炎の感染経路

性交渉

B型肝炎ウイルスは、感染者の血液だけでなく、精液や膣分泌液などにも含まれます。そのため、近年は性交渉による感染が最も多くなっています。

感染を防ぐためにも、性交渉時はコンドームの使用を心がけましょう。また、不特定多数との性交渉を避けることも感染予防に繋がります。

B型肝炎の感染経路

唾液感染

B型肝炎ウイルスは、感染者の唾液にも微量ながら含まれています。
そのため、乳児に口移しや、自分の口で咀嚼した食べ物を与えることにより、感染する可能性があります。

B型肝炎の感染経路

感染経路不明

これまで述べてきたどの感染経路にも思い当たる節がなく、どこで感染したのかまったくわからないこともあるでしょう。

B型肝炎ウイルスは血液などの体液を介して感染しますが、人の身体の外でも、少なくとも7日間は生存すると言われています。
そのため、ウイルスを含んだ血液などを、どこかで気づかないうちに触れてしまい、それが口や目などの粘膜や傷口などから入り込んで感染してしまう、という可能性もゼロではありません。

B型肝炎はうつる確率(感染力)が高く、家庭内感染、集団感染もありえる

幼稚園B型肝炎ウイルスの感染力は、HIVの50倍とも100倍とも言われており、非常に感染力の強いウイルスです。

また、B型肝炎ウイルスは、感染者の血液だけでなく、唾液や汗、涙などにも微量ながら含まれており、感染者と濃厚に接触することにより、体液を介して感染する可能性があります。

実際、父から子へ、祖父母から孫への感染といった家庭内感染だけでなく、保育園、相撲部、アメフト部、レスリング部などでの集団感染が報告されています。

B型肝炎の感染経路になる可能性が低い行為

これまで述べてきたように、B型肝炎ウイルスは、さまざま機会に血液や体液を介して感染する可能性があります。

ただし、感染者と濃厚に接触しない限りは、日常生活において感染することはめったにありません。
例えば、次のような行為や場所が感染経路になる可能性は低いと言えます。

  • 触れる程度のキス
  • プール、風呂
  • 食器の共用や回し飲みなど

B型肝炎の感染経路になる可能性が低い行為

触れる程度のキスでは感染する可能性は低い

唇が触れる程度の軽いキスであれば、体液を交換することはありませんので、B型肝炎ウイルスに感染する可能性は低いでしょう。
しかし、唾液を交換するような濃厚なキスであったり、唇や口の中に傷があったりする場合には、注意が必要です。

B型肝炎の感染経路になる可能性が低い行為

プールや風呂で感染する可能性は低い

一般的にプールや風呂で感染する可能性は低いでしょう。
仮に、感染者の血液や体液がプールや浴槽に混ざったとしても、水で薄められるため、その分、感染力も弱まるのです。

B型肝炎の感染経路になる可能性が低い行為

食器の共用や回し飲みで感染する可能性は低い

感染者の唾液にも微量のウイルスは含まれていますが、食器の共用や飲み物の回し飲み程度では感染しません。
また、鍋をつついて食べたり、食べ物をシェアしたりしても、感染の可能性は極めて低いと言えます。
ただし、こちらも唇や口の中に傷がある場合は注意が必要です。

B型肝炎の感染予防方法とは?

カミソリと歯ブラシB型肝炎ウイルスへの感染を防ぐためには、日常生活において、次のようなことに注意しましょう。

  • カミソリや歯ブラシの共用はしない。
  • 他人の血液や体液には、素手で触れないようにする。
  • 性交渉時にはコンドームを使用する。
  • ピアスを開ける時などは清潔な器具を使用し、他人と使いまわしをしない。
  • B型肝炎ワクチンを接種する。

B型肝炎キャリアの人と付き合う上で大切なこと

B型肝炎キャリアの人と付き合う場合には、しっかりと話し合い、ウイルスに関する正しい知識を身につけることが大切です。感染予防のための対応は必要になりますが、きちんと理解することで、無駄に怖がったり、不安になったりしなくて済みます。

結婚する場合には、将来起こり得るリスクについて考えておきましょう。
通院するための労力や経済的な面での負担、将来的に慢性肝炎を発症する可能性や、肝硬変や肝臓がんになってしまうリスクもあります。闘病生活が続けば、介護が必要になることもありえます。

ただ、事故や病気などで、自分も要介護状態になる可能性だってあります。そうなれば、あなたが支えられる立場となるのです。
結婚とは、お互いに支え合って生きる、という一つの選択なのです。

結婚に当たっては、具体的に次のような対策・準備をしておきましょう。

  • B型肝炎ワクチンを接種する。
  • 子どもが生まれたら、母子感染・父子感染を予防するために、B型肝炎ワクチンを接種させる。
  • 治療が必要な場合は、自治体の医療費助成制度について調べておく。
  • 新居に移るのであれば、近くのかかりつけ医の候補、肝疾患専門医療機関などを調べておく。

B型肝炎は完治できるか?

B型肝炎ウイルスへの感染には、「一過性感染」「持続感染」の2種類があります。

乳幼児など免疫力がない時期に感染すると持続感染となり、成人後など免疫力が付いてから感染すると一過性感染となることが多いです。

B型肝炎は完治できるか?

一過性感染の場合

一過性感染の場合、70~80%の人が、症状が出ないままウイルスが体外に排出されて自然治癒します。
残りの20~30%の人は、急性肝炎を発症しますが、数か月以内に症状が治まって自然治癒します。
このように自然治癒すれば、B型肝炎が完治したと言ってよいでしょう。

ただし、急性肝炎を発症したら、1%~2%の確率で劇症肝炎を発症して、そのうち70~80%は死亡してしまいますので、注意が必要です。

B型肝炎は完治できるか?

持続感染の場合

持続感染の場合、一生に渡ってウイルスが体内に残りますので、完治することはありません。
90%の人は症状が出ない無症候性キャリアですが、残りの10%の人は、慢性肝炎を発症します。そうすると、肝硬変や肝がんに進行して、死に至る可能性もあります。

肝がんまでの経過

慢性肝炎を発症したら、抗ウイルス薬を服用することにより、ウイルスの増殖を抑制することができます。ただし、ウイルスを完全に排除できるわけではありません。
そのため、定期的な検査によって、病状が進行していないかどうか、経過観察を欠かさないことが大切です。

B型肝炎訴訟を弁護士に依頼するメリット

B型肝炎訴訟で国に給付金を請求するためには、裁判所の手続きが必要です。
自分ひとりで手続きをすることもできますが、専門的なノウハウが必要ですので、手間や時間がかかります。スムーズに手続きするには、法律の専門家である弁護士に依頼する方がよいでしょう。

B型肝炎訴訟を弁護士に依頼することで、次のようなメリットがあります。

B型肝炎訴訟を弁護士に依頼するメリット

訴状などの書類作成を任せることができる

給付金を請求するには、訴状や証拠一覧などの書類を作成しなければなりません。
これらは、裁判所に提出する書面ですので、法律の専門家である弁護士に任せた方が、迅速に、滞りなく作成することができます。

B型肝炎訴訟を弁護士に依頼するメリット

必要書類収集のサポートを受けることができる

裁判所には、証拠資料となる血液検査結果や医療記録(カルテ)、公文書など、さまざまな書類を提出します。これらの必要書類を収集するには、医療機関や市区町村役場、場合によっては、卒業した小学校などとも、やりとりしなければなりません。
ご自身で、全てこのようなやりとりを進めると、かなりの労力を要しますが、弁護士がいれば、わからないときにアドバイスを受けたり、医療機関や役所への案内書を作成してもらったりすることができます。

B型肝炎訴訟を弁護士に依頼するメリット

書類の精査により不備を防ぎ、迅速に給付金を受け取ることができる

集めた必要書類を、そのまま提出するだけでは、内容が間違っていたり、不足があったりします。完璧に集めたつもりでも、医療記録などの記載内容によって、新たな事実が判明し、追加書類を求められることもあります。
その点、弁護士がいれば、提出前に書類を隅々までチェックし、入念に精査しますので、極力、不足書類が出ないように準備することができます。その結果、給付金を受け取るまでの期間を短縮することが可能です。

B型肝炎訴訟を弁護士に依頼するメリット

裁判所への出廷を任せることができる

裁判所には、平日の日中に出廷しなければなりませんが、普通に働かれている場合には、なかなか日程を調整するのが難しいのではないでしょうか。
弁護士に依頼していれば、弁護士が代理人として、代わりに裁判所に出廷してくれますので、ご自身で出廷する必要はありません。その結果、時間と労力の大幅な節約ができるでしょう。

B型肝炎訴訟を弁護士に依頼するメリット

給付金の4%分が上乗せで支給される

弁護士に依頼して、手続きをした場合は、給付金の4%分が訴訟手当金として上乗せ支給されます。例えば、弁護士に依頼して、50万円の給付金が支給される場合は、その4%の2万円が上乗せされ、総額52万円が支給されます。

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  • 和解件数 8,900件以上
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