任意整理と個人再生、どちらを選ぶべきか、具体例をもとに解説

選択

借金の返済に悩み、ネットで検索をしていたところ、任意整理や個人再生という方法があることを知った。でも、この2つの方法って何が違うんだろう。自分はどっちの方法を選択したほうが良いのだろうか。

この記事では、そんな悩みを解決するために、まず初めに、任意整理と個人再生について簡単に説明します。そして、次に、簡単な具体的な例を設定して、どちらの方法を選択すべきかについて説明を加えたいと思います。

この記事の結論的な部分を最初に述べますが、任意整理と個人再生、どちらを選択すべきかの基準は、ご自身の総負債額を36回(3年間)で割って,月余剰(月の可処分所得)で返済が困難かどうかを一応の目安として考えてみてください。もし、返済が困難であれば,任意整理は困難だということができます。その場合、どうしても住宅を残したいということであれば、個人再生を検討する、そうでなければ、自己破産を考えるということがいえます。ただし、これはあくまでもひとつの基準ですので、実際にどの手続きを選択すべきかについては、専門家である弁護士に相談し、判断を仰ぐべきです。

この記事では、具体的な例を挙げて、皆さんに想像してもらいながら、任意整理と個人再生を選ぶ基準について解説します。

この記事を読まれて、任意整理あるいは個人再生をご検討される場合には、まずは法律事務所MIRAIOへご相談ください。

 

個人再生と任意整理の簡単な説明

個人再生の簡単な説明

個人再生とは、裁判所に申立てを行い、現在の借金を大幅に減額した上で、減額後の借金を原則3年間(特別な事情がある場合には最長5年間)かけて返済していく手続きです。
なお、個人再生には、小規模個人再生手続(民事再生法221条以下)と給与所得者等再生手続(民事再生法239条以下)がありますが、この記事では、小規模個人再生手続を念頭に説明をします。

個人再生の主なメリットとデメリット

 

個人再生のメリット・デメリット
メリットデメリット
借金を5分の1程度に大幅に圧縮できる費用と時間がかかる
家を残すことができる(住宅ローン特則)官報に掲載される
職業に関する資格制限がない事故情報が信用情報機関に登録される
全債権者が対象となる

 

任意整理の簡単な説明

任意整理とは、その名のとおり、「任意」…つまり話合い・交渉で、負債の「整理」…つまり返済スケジュールの再設定をするものです。弁護士が介入した場合、債権者にもよりますが、だいたい36回(3年)~60回(5年)分割での返済交渉を行います。

任意整理の主なメリットとデメリット

任意整理のメリット・デメリット
メリットデメリット
長期分割による月返済額の軽減事故情報が信用情報機関に登録される
将来利息のカット大幅な減額は見込めない
債権者からの督促が停止される
介入する債権者が選べる

 

任意整理と個人再生の具体的な検討

検討以下では、架空の登場人物の例を用いながら、この登場人物にとって任意整理を選択するほうが良いのか、それとも個人再生を選択するほうが良いのかを検討してみます。

架空の例

債務者:Xさん、都内在住、サラリーマン
収入:手取月収30万円
毎月の家計の余剰金:10万円
資産:マンション(資産価値2500万円、住宅ローン残額2800万円)
   この他に資産(=20万円以上の価値があるような財産)はない
負債:A社100万円、B社100万円、C社100万円(合計300万円)
住宅ローン2800万円
返済状況:A、B、C社に対して、それぞれ毎月2万円、1万、3万の合計6万円の返済
     住宅ローンは毎月7万円の返済
     A、B、C社と住宅ローンで合計毎月13万円の返済
本人の希望:マンションは絶対手放したくないんです…。

※ 説明のため簡略化した例です。実際の事例は、もっともっと複雑です。必ず、弁護士に相談してください。

個人再生を選択する場合

上の例のXさんは、毎月の家計の余剰金が10万円であるにもかかわらず、毎月の返済額は13万円となっており、家計は赤字です。おそらくXさんは、返済資金を作るために、A、B、C社に返してはすぐ借り入れるという自転車操業状態であることが推測できます。

個人再生を選択する場合、Xさんの住宅ローンを除いた借金の総額は300万円ですので、最低弁済額(※下の表をご覧ください)は、100万円となります。この減額された100万円を原則3年36回(1回あたりの返済額は約2万8千円)で返済し、併せて住宅ローンは約定通りに毎月7万円を返済していくことになるのが、典型的な個人再生です。
Xさんの例では、毎月の家計の余剰金が10万円ですので、約2万8千円+7万円
=約9万8千円の返済は可能ということになります(※この履行可能性については下の説明をご覧ください)。

以上から、Xさんは、家計の余剰金の範囲内で全債権者への返済を行うことができ、無借金生活に戻ることができ、3年後にはA、B、C社への返済も終わることができますので、生活の見通しがつく状況になります。

最低弁済額の確認

下の表を見てください。基本的には借金の総額を5分の1にした、最低限支払うことが義務付けられる額です。なお、清算価値との比較で、基準が変わる場合もあります。

借金額 最低弁済額
100万円未満全額
100万円以上~500万円未満100万円
500万円以上~1500万円未満負債総額の1/5
1500万円以上~3000万円未満300万円
3000万円以上~5000万円以下負債総額の1/10
※ 個人再生は、借金総額が5000万円を超える場合は認められない。

履行可能性

履行可能性とは、ざっくりいうと、再生計画案で定める返済案通りに、3年間(ないしは最長5年間)返済を継続できる可能性のことをいいます。
実際は、急な出費もありますから、Xさんには、もう少し余裕が欲しいところです。仮にXさんに会社からボーナスの支給があれば、Xさんの履行可能性にとってプラスの考慮要素になります。

任意整理を選択する場合

任意整理は、債権者との話し合いで36回から60回程度の分割払いを認めてもらう「交渉」になりますので、まずは各債権者がどのくらいの分割に応じてくれるのかを前もって検討する必要があります。

交渉実績

法律事務所と債権者との間の交渉実績は、その法律事務所が任意整理を解決してきた数です。任意整理を解決してきた数が多ければ、それだけいろいろな業者との交渉経験があるわけですから、ご依頼者様のニーズに柔軟に応じることができる可能性も高くなります。

任意整理の検討

Xさんは、マンションは手放したくないという希望を持っています。任意整理は、交渉する債権者を選べるため、まず、住宅ローン債権者を交渉から外し、住宅ローンはそのまま約定通りに返済を継続します。
では、A、B、C社はどうすべきでしょう。Xさんの家計の余剰金は、毎月10万円です。そして、住宅ローンの月返済額は毎月7万円ですので、残りの3万円が任意整理をする場合の返済に充てられる金額です。

A社について

A社は、債務総額100万円、月返済額2万円の債権者です。過去の交渉実績から、60回の分割に応じてくれそうな業者だとします。100万円÷60回=約1万7千円での交渉がまとまる可能性があります。
今までよりも約3千円、毎月の返済額が減少します。

B社について

B社は、債務総額100万円、月返済額1万円の債権者です。過去の交渉実績から、36回の分割にしか応じてくれそうにない業者だとします。100万円÷36回=約2万8千円での交渉がまとまる可能性があります。
ただし、これでは、毎月の返済額が約1万8千円上がりますので、介入のメリットがあまりないといえます。ただし、将来利息カット、完済の目途が立つというメリットはあります。
B社については、一旦介入を保留して、毎月1万円の返済を継続するということにします。

C社について

C社は、債務総額100万円、月返済額3万円の債権者です。過去の交渉実績から、60回の分割に応じてくれそうな業者だとします。100万円÷60回=約1万7千円での交渉がまとまる可能性があります。3つの業者の中で、一番減額幅が大きく、介入メリットがありそうです。

毎月の家計余剰金との関係

よーし、これで毎月の返済額も減らせるし、任意整理ができそうだ!・・・ん?本当にそうでしょうか?ここで、一度立ち止まって考えてみましょう。

Xさんの家計の余剰金は毎月10万円、住宅ローンはそのまま払っていくのでここから7万円は住宅ローンの返済分です。残りは3万円です。
でも、A、B、C社へ予想される返済額は、それぞれ約1万7千円、1万円(介入しない)、約1万7千円、合計すると約4万4千円です。

これでは毎月の家計の余剰金3万円を超えますから、結局Xさんの家計は赤字となり、どこか他からお金を工面(借金)しなければ、返済が継続できないことになります。Xさんの借金問題にとって、根本解決にはならないのです。

以上検討からすれば、今回のXさんは、任意整理ではなく、個人再生を選択すべきということがいえます。

※ 実際には、事例はもっと複雑です。

任意整理ができるかの基準は、負債総額を36回(3年間)で割って払えるかどうか

任意整理の場合、債権者によっては60回(5年)の分割に応じてくれるところもあります。
しかし、余裕をもって考えるのであれば、ご自身の総負債額を36回(3年間)で割って,月余剰(月の可処分所得)で返済が困難かどうかを、一応の目安として考えてみてください。もし、返済が困難であれば,任意整理は困難だということができます。その場合、どうしても住宅を残したいということであれば、個人再生を検討する、そうでなければ、自己破産を考えるということがいえます。ただし、これはあくまでもひとつの基準ですので、実際にどの手続きを選択すべきかについては、専門家である弁護士に相談し、判断を仰ぐべきです。

 

債務整理の費用相場

費用債務整理の費用について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

「債務整理の弁護士費用はいくら?費用の目安と支払方法をご紹介!」

 

法律事務所MIRAIOでの債務整理をおススメする3つの理由

弁護士法律事務所MIRAIOでは,創業以来約20年に渡って,数々のご相談者様のお声をいただいてきました。こういったお声をもとに築き上げてきた実績がありますので,法律事務所MIRAIOでは以下のようなご相談者様ひとりひとりに寄り添った対応が可能なのです。

ご依頼者様一人一人の状況に応じた丁寧な対応が可能

借金問題は非常にセンシティブな問題であり,ご依頼者様の状況に応じたきめ細やかな対応が重要になってきます。
この点,法律事務所MIRAIOでは,債務整理の相談実績27万件超に基づく経験豊富な弁護士や事務員が多数在籍するのみならず,IT技術を用いた所内システムにより情報の一元化を図っています。このため,ご依頼者様一人一人の生活状況に応じた臨機応変な対応が可能です。

相談実績の中で培われた豊富なノウハウがある

任意整理は、債権者との交渉実績が多く、経験が豊かであればあるほど、柔軟な解決が可能ということができます。また、破産や個人再生の手続きは,地方裁判所ごとにその独自の運用があることが多く,その運用に応じた提出書類や財産基準の捉え方が必要になってきます。これは,いかに法律を詳しく知っていようがなんとかなるものではなく,実際に裁判所とのやりとりなどを経た経験がものをいいます。
この点,法律事務所MIRAIOでは,債務整理の相談実績27万件超の中で培ってきた数々の経験から,各裁判所から求められる提出書類,裁判所が捉える財産基準等といった傾向を蓄積・分析したノウハウがあります。この経験があるからこそ,ご依頼者様に想定外のご負担をおかけする可能性を極めて低くすることができます。

相談無料,弁護士費用は分割払いも可

法律事務所MIRAIOでは,借金に関するご相談については何回でも相談料は無料ですので,ご納得いただくまで弁護士とお話しいただき,そのうえで正式にご依頼いただくことが可能です。
また,費用のお支払いについては,ご依頼者様の生活状況に合わせた分割払いを承ります。「今はまとまったお金を準備するのが難しい…」と不安な方も,安心してご依頼いただくことが可能です。

いかがでしたでしょうか。
個人再生と任意整理の違いや選ぶ基準などをご理解いただけたのではないでしょうか。
この手続きの仕組みやメリット・デメリットなどを知ったうえで、ご自身にとって最適な手続きは何なのかということを考えるお役に立てれば幸いです。