なぜ集団予防接種でB型肝炎が広がった?給付金が支給される理由とは

古い医療器具
眼鏡の女性

集団予防接種を受けたことがある人は、B型肝炎の給付金がもらえると聞きました。B型肝炎ってどんな病気?集団予防接種とどんな関係があるの?私も子どもの時に集団予防接種を受けましたが、給付金はもらえるのかなあ?

ここでは、B型肝炎とはどのような病気か、その症状や感染経路、B型肝炎と集団予防接種の歴史、そして、感染拡大との関係について解説していきます。
また、B型肝炎訴訟による給付金請求についても紹介していきます。

激動の戦後昭和において、いったい何があったのか?
簡単ではありますが、ひも解いていきましょう。

B型肝炎って何?その発症原因と主な症状とは

B型肝炎とは、B型肝炎ウイルスに感染することによって起こる肝臓の病気のひとつです。
肝炎の発症原因と主な症状について、説明していきます。

肝炎の発症原因

B型肝炎ウイルスに感染すると、ウイルスは肝臓の細胞(肝細胞)に入り込んできます。すると、人間の免疫機能が、ウイルスを体外に排除するために、ウイルスを肝細胞ごと攻撃し始めます。攻撃された肝細胞は破壊され、肝臓が炎症を起こしてしまいます。これが「肝炎」が起こる原因です。

肝炎の代表的な症状

肝炎が6か月以上続いた状態のことを「慢性肝炎」といいます。慢性肝炎の場合、緩やかな炎症であるため、ほとんど自覚症状がないこともあり、あったとしても軽い倦怠感(だるさ)がある程度です。
急激な炎症(急性肝炎)が起こると、強い倦怠感や発熱、頭痛、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)が出たり、尿が茶色っぽくなったりすることもあります。
肝炎が何年も続き、肝細胞の破壊と再生が繰り返されると、肝臓が繊維化し、硬く小さくなります。これが「肝硬変」です。さらに進行すると、肝細胞ががん化して「肝がん」に至ることもあります。
肝硬変や肝がんとなると、上記症状に加え、腹が張ったり(腹水)、足がむくんだりすることがあります。また、肝機能悪化により、体内のアンモニアが分解されずに脳に入り込むと、意識障害やおかしな言動(肝性脳症)が見られることもあります。

なぜ集団予防接種でB型肝炎が広がってしまったのか?

予防接種を受ける赤ちゃん

ここでは、B型肝炎ウイルスの代表的な感染経路と、集団予防接種で感染が拡大してしまった理由と経緯を説明していきます。

B型肝炎ウイルスの感染経路

B型肝炎ウイルスは、血液などの体液を介して感染します。主な感染経路は、次のとおりです。

  • 輸血
  • 注射器の使いまわし
  • ピアスの穴開け・入れ墨などの器具の使いまわし
  • カミソリや歯ブラシの共用
  • 性交渉
  • 母子感染(出生時感染)

輸血や性交渉などのように濃厚接触した場合だけでなく、血液が付着した注射器、カミソリなどの器具を介しても、ウイルスが体内に入り込み、感染するリスクがあるのです。

なぜ集団予防接種で感染が広がってしまったのか 

まずは、B型肝炎と集団予防接種の歴史について、見ていきましょう。

時期出来事
1945年(昭和20年)イギリスで「集団予防接種等の際は、接種ごとに滅菌された針・注射筒を用いるべきである」と提唱される。
1948年(昭和23年)7月1日予防接種法が施行され、一定の予防接種が義務化される。
1950年(昭和25年)ごろ血清肝炎(血液感染する肝炎)の存在が認識され始め、ウイルスが注射により感染する可能性があることなどが指摘される。
国は「注射針のひとりごとの交換」を指導する通知を発したが、現場では徹底されなかった。
1953年(昭和28年)WHO(世界保健機関)が、予防接種の際の注射器の連続使用を止めるように勧告する。
1965年(昭和40年)オーストラリア抗原(B型肝炎ウイルス)が発見される。
1970年(昭和45年)B型肝炎ウイルスに感染することで、肝炎を起こすことが認識され始める。
1972年(昭和47年)1月献血でB型肝炎検査(HBs抗原検査)が始まり、輸血用血液のB型肝炎スクリーニングが始まる。
⇒輸血によるB型肝炎感染は減少へ
1986年(昭和61年)1月B型肝炎に感染している妊婦(HBs抗原陽性の妊婦)から生まれた子への、B型肝炎ワクチン、抗HBs人免疫グロブリン投与が始まる。
1988年(昭和63年)1月27日国が「予防接種における注射器の被接種者ごとの取り替え及びツベルクリン反応検査での注射針・筒の取り替え」を指導する通知を発する。
1989年(平成元年)6月5名のB型肝炎患者が、国による損害賠償を求めて札幌地方裁判所に提訴する(最初のB型肝炎訴訟)。
2006年(平成18年)6月5名のB型肝炎患者について、最高裁判所の判決により、国の賠償責任が認められる。
2011年(平成23年)6月B型肝炎患者と国との基本合意が成立する。
2012年(平成24年)1月「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法」が施行され、B型肝炎給付金制度が始まる。

 

昭和23年7月 予防接種法の施行 

昭和23年7月、予防接種法が施行されました。それまでも、天然痘ワクチンである種痘の予防接種は、江戸時代から行われていましたが、予防接種法により、種痘以外の予防接種も義務化されました。
それに伴い、地方自治体による集団予防接種が制度化されましたが、当時は、使い捨ての注射器が一般的ではなかったこともあり、注射器の使いまわしが当然のように行われていました

昭和28年 WHO(世界保健機関)の勧告

海外では戦前から、注射器の使いまわしによって肝炎に感染する危険性が訴えられており、昭和28年には、WHO(世界保健機関)が予防接種の際の注射器の使いまわしを止めるように勧告しました。
それと前後して、国内でも、注射器による肝炎感染の危険性が指摘され始めました。
そこで国は、昭和25年には、ツベルクリン反応検査およびBCGについて、昭和33年にはその他の予防接種について、注射針をひとりごとに取り替えるよう指導しました。しかし、注射「筒」の取り替えについては指導されず、また、国の指導が不十分だったこともあり、注射針の取り替えについても現場で徹底されることはありませんでした。

昭和40年 B型肝炎ウイルスの発見

昭和40年には、B型肝炎ウイルス(当時は「オーストラリア抗原」と呼ばれていました)が発見され、その後、肝炎の原因となることが確認されましたが、依然として国は、注射器の使いまわしを止めるように強く指導することはありませんでした。
その結果、漫然と注射器の使いまわしが繰り返され、B型肝炎ウイルスへの感染が広がってしまったのです。

昭和63年1月27日 国による注射筒取り替えの指導

昭和63年1月27日、国がようやく注射「筒」についての、ひとりごとの取り替えを指導し、これで注射針・筒を含めた注射器のひとりごとの取り替えが実現し、集団予防接種時の注射器の使いまわしはなくなりました。

平成元年 B型肝炎訴訟の始まり

昭和23年7月から昭和63年1月までの、実に40年近くの間、国が注射器の使いまわしを見過ごしてきたことによって、43万人以上の人が、B型肝炎ウイルスに感染してしまったと推計されています。
このような事態を招いたのは、国に責任があるとして、平成元年に5人のB型肝炎患者が、国の損害賠償を求めて訴訟を起こしました。これがB型肝炎訴訟の始まりです。

平成18年 最高裁判所が国の責任を認める

平成18年、最高裁判所が国の責任を認め、5人のB型肝炎患者は国から賠償金を受け取りました。
その後は、全国で次々と同様の訴訟が起こされていきました。

平成24年1月 B型肝炎給付金制度が始まる

平成24年1月、「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法」が施行され、B型肝炎給付金制度が始まりました。この制度により、一定の条件を満たしたB型肝炎患者の方は、簡単な手続きによって給付金を受け取ることができるようになったのです。

まとめ

以上のように、集団予防接種でB型肝炎の感染が広がってしまったのは、長年の間、注射器の使いまわしが行われていたためでした。そして、その危険性がわかっていたにもかかわらず、国が適切な対応をしなかったことが大きな原因でした。
そのため、裁判によって国の損害賠償責任が認められ、B型肝炎給付金制度が始まったのです。

集団予防接種でB型肝炎に感染したら、国から給付金がもらえる

集団予防接種が原因でB型肝炎ウイルスに感染した方や、その方から母子感染などにより感染した方は、国から給付金を受け取ることができます。
肝炎を発症していない方(無症候性キャリア)でも、給付金の対象となります。
それでは、対象者の詳しい条件や、その証明方法、給付金の金額、手続きの流れなどを簡単に紹介します。

給付金の対象者の条件は?対象年齢は?

給付金の対象者は、昭和23年7月1日から昭和63年1月27日までの間に、満7歳になるまでに受けた集団予防接種が原因で、B型肝炎ウイルスに持続感染(6か月以上ウイルスに感染した状態)した方(一次感染者)や、その方から生まれたときに母子感染した方(二次感染者)などです。
一次感染者の対象年齢は、昭和16年7月2日以降に生まれた方ということになります。

B型肝炎訴訟の対象者の条件についての詳しい内容は、次の記事をご参照ください。
「B型肝炎訴訟の対象者とは?給付金がもらえる条件と必要書類を解説」

集団予防接種でB型肝炎に感染したことを証明する方法

集団予防接種でB型肝炎ウイルスに感染したことを証明するには、母子感染や家族内感染、輸血による感染、成人後感染など、集団予防接種以外の感染原因がないということを確認する必要があります。
そのためには、本人だけでなく、両親やきょうだいの血液検査、過去の医療記録(カルテ)、母子健康手帳やそれに代わる医師の意見書や公文書などの書類を提出する必要があります。

B型肝炎訴訟の必要書類についての詳しい内容は、次の記事をご参照ください。
「【B型肝炎訴訟】給付金請求の必要書類を網羅!申請先や費用も解説」

B型肝炎給付金の金額

B型肝炎給付金の金額は、B型肝炎の病状(病態)発症時期などによって異なります。その条件は、次の表のとおりです。
なお、表内の「現に治療を受けている方等」というのは、次のいずれかの条件を満たしている方のことです。

  1. 最近1年以内に、検査結果などの客観的な資料によって、一定の症状が確認できること
  2. インターフェロンなどの一定の薬剤による治療を受けたことがあることが、医療記録などで確認できること

給付金等の内容2

B型肝炎給付金を受け取るための手続きの流れ

B型肝炎給付金を受け取るには、一定の訴訟手続きを経て、国と和解する必要があります。手続きの流れは、次のとおりです。

Procedure flow and required period for hepatitis B proceedings

B型肝炎訴訟なら経験豊富な法律事務所MIRAIOへ

B型肝炎訴訟は、自分で手続きをすることもできますが、さまざまな書類を収集したり、役所や医療機関と連絡を取ったり、裁判所に出廷したりする必要がありますので、法律の専門家である弁護士に依頼するのが一番です。

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B型肝炎訴訟を弁護士に依頼するメリット

B型肝炎訴訟を弁護士に依頼することで、次のようなメリットがあります。

訴状などの書類作成を任せることができる

B型肝炎訴訟では、訴状や証拠一覧などの書類を作成しなければなりません。
これらは、裁判所に提出する書面ですので、法律の専門家である弁護士に任せた方が、迅速に、滞りなく作成することができます。

必要書類収集のサポートを受けることができる

裁判所には、証拠資料となる血液検査結果や医療記録(カルテ)、公文書など、さまざまな書類を提出します。これらの必要書類を収集するには、医療機関や市区町村役場、場合によっては、卒業した小学校などとも、やりとりしなければなりません。
ご自身で、全てこのようなやりとりを進めると、かなりの労力を要しますが、弁護士がいれば、わからないときにアドバイスを受けたり、医療機関や役所への案内書を作成してもらったりすることができます。

書類の精査により不備を防ぎ、迅速に給付金を受け取ることができる

集めた必要書類を、そのまま提出するだけでは、内容が間違っていたり、不足があったりします。完璧に集めたつもりでも、医療記録などの記載内容によって、新たな事実が判明し、追加書類を求められることもあります。
その点、B型肝炎訴訟の経験豊富な弁護士であれば、提出前に書類を隅々までチェックし、入念に精査でき、極力、不足書類が出ないように準備することができます。その結果、給付金を受け取るまでの期間を短縮することが可能です。

裁判所への出廷を任せることができる

裁判所には、平日の日中に出廷しなければなりませんが、普通に働かれている場合には、なかなか日程を調整するのが難しいのではないでしょうか。
弁護士に依頼していれば、弁護士が代理人として、代わりに裁判所に出廷してくれますので、ご自身で出廷する必要はありません。その結果、時間と労力の大幅な節約ができるでしょう。

給付金の4%分が上乗せで支給される

弁護士に依頼して、手続きをした場合は、給付金の4%分が訴訟手当金として上乗せ支給されます。例えば、弁護士に依頼して、50万円の給付金が支給される場合は、その4%の2万円が上乗せされ、総額52万円が支給されます。

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和解後に病状が進行しても安心!追加給付金の請求も格安でサポート

国と和解をして給付金を受け取った後に、B型肝炎の病状が進行してしまった場合には、追加給付金を請求することができます。
例えば、慢性肝炎で1250万円の給付金を受け取った後に、肝がんを発症してしまった場合には、肝がんの給付金3600万円と、受け取った1250万円との差額の2350万円が追加給付金として支給されます。
MIRAIOでは、この追加給付金の請求手続きについて、追加給付金の4%(税込4.4%)という格安の報酬でお手伝いいたします。

まとめ

それでは、おさらいしましょう。

B型肝炎というのは、B型肝炎ウイルスに感染することで起こる肝臓の病気です。
B型肝炎ウイルスは血液などの体液で感染しますが、予防接種法によって制度化された集団予防接種で、長年の間、注射器の使いまわしが行われていたため、注射器を介して感染が拡大してしまいました。
そして、その危険性がわかっていたにもかかわらず、国が適切な対応をしなかったことで、国の損害賠償責任が裁判で認められたのです。これが、B型肝炎給付金制度が始まったきっかけです。

B型肝炎給付金を受け取るには、自分が対象者であるということを証明するため、さまざまな必要書類を提出しなければなりません。また、簡易化されているとはいえ、裁判所の手続きを取る必要があります。
専門的な知識と経験が有利に働く手続きでもありますので、B型肝炎給付金を請求する場合には、経験豊富な弁護士に相談、依頼されることをお勧めします。